邂逅オレは昔から喧嘩をすることを普通のことだと思っていた。
オレが小学生の頃から一緒につるんでいた幼馴染の一人である棪堂哉真斗に「それが普通だ」と、そう言われ続けてきたからだ。
でも、なんとなくその哉真斗の発言にオレは違和感を感じていた。
それなら何故オレたちは他の人間に、恐ろしいものを見るような目で見られているんだ?
きっとオレは心の中で気付いていたのかもしれない、オレたちがやっていることが“異常”であるということを……。
「桜君、少し話をしてもいいかな」
「……なんだよ」
放課後の教室でオレを呼び止めたのはこのクラスに配属になった教育実習中の教師だった。
どうせ、あまり学校に行かないし学校の人間となんて深く関わることは無いだろうと思っていたから名前すら覚えていなかったが。
1692