昔書いた承花小説ー芸術家は愛妻家が多いイメージがあるよね。
ーでも意外と、不倫してる事が多いらしくて、先生が亡くなった後、作品が愛人から出てくる事とかあるらしいよ。
ーだけど芸術家は熱意を持ったたった1人の人間しか愛さない。一途の愛が作品を作りあげるんだよ。
誰かがそんな事を口にする。
ー
空条承太郎は現代を代表する著名な仮名作家であった。数々の賞を受賞し、40歳という若さで書壇の常任理事を勤め、日本でも両手で数えられるトップ10に入るような作家である。
190を超える身長と筋肉質な身体を持つ見た目の反面、彼の書く作品はどこか儚く美しい細字作品が多い。
個人で教室を持っており、何人か弟子もいる。今日はその稽古の日だった。
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