星が落ち岩は眠る元岩神は、流星に恋をした。
自ら手に入れたすべてのものを燃やしながら
より高みへ、磨きをかけかがやくもの。
最も死に近い戦場で煌々とするも
「死んだら終わりだ。」と
生きることに真っ直ぐな魂。
稀有な運命線を描き狂気にも似た流星は
神の心を掴み損ねはしたが
その後も神の座を降りた岩の前に現れ
気ままに食を共にするようになった。
そしていつの間にか岩の懐に入ると
ふと流れることを休むことがあった。
その時の流星は、本当の意味で人であった。
瞬きの間にそれは"かみのこころ"にも降り、
岩が神として傍観してただけの
人が抱く寂しさを 儚さを
それを凌駕する愛を教えてくれた。
そして岩は恋と共に人となることができた。
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