タイトル未定少女は走っていた、前日降った雨の水溜まりに靴が濡れようとも背後から迫り来る人ではない何かに追われながら口呼吸をして熱くなった喉で息を切らし全力で足を動かした。
偶に通る短いトンネルの近くまで来てふと点滅する蛍光の近くに人影が見えたが恐らくあれも悪霊か地縛霊か何かだろうと無視をして走り抜けようと脳内で言い聞かせる。
少しずつ背後の何かに追いつかれつつある事に冷や汗をかきながらトンネルに入る。
が、足がもつれて受け身も取れないままザザッと制服のスカートから肌の露出している足の面が地面と擦れる。
痛みが走るも今はそれどころでは無い、立ち上がろうとするも上手くいかない。かなりの距離を走り続けた為に足が疲弊してきまったのだ。
1959