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    potyakouuu

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    DONEキャプション
    〇以下の設定は、本作品の中で捏造したものです。公式の作品、設定とは一切関係がありません。
    ・ネロの厄災の奇妙な傷
    ・メインキャラと関わりがあるオリジナルの魔法使い

    〇「哀愁のひまわりのエチュード」のイベストに登場した魔法使い(ビアンカ)が出てきます。当該イベストのネタバレを若干に含みますので、ご注意ください。
    (イベスト未読でも問題なくお楽しみいただけるような内容になっております)
    1.
    ふわふわとした毛玉が浮いている。
    いくつものその白い塊は、果ての見えない草地の上を跳ねていく。草は青々として朝露を浴びたように瑞々しいのに、空は目が痛いほどの茜に染まっていて、なんだかあべこべだ。そこに浮かぶ細切れの雲はだんだんと形を変えて、しまいには草地を飛ぶ白いふわふわに混ざり始めた。
    伊達に600年ほども生きていない。所謂絶景と呼ばれるような景色や奇妙な現象との出会いはありふれているし、つまりは少し奇妙なこの景色に感嘆の声を漏らすことはない。今、意識が向くのはこの空間を包み込む、俺の知らない、この生暖かい気配だけだ。
    「あぁ、またやっちまった……」
    覚えがあるが、確実に自分のものではない気配を感じながら、その主であるがたいの良い彼の、羊を見守る柔らかな微笑みを思い出す。と、同時に寝る前の俺に恨み言を連ねた。いくら、任務にオーエンやミスラの料理のリクエストにと忙しくて疲れていても、就寝前に結界を張り忘れるなんて。少しずつ身についてきたと思った寝る前の習慣も、疲労で鈍った脳の前では、塵と消えたようだった。
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    potyakouuu

    DONE本作は以下のものを多分に含みますので、苦手な方は読むのをお控えください。

    ・病気やその症状についての捏造(作者は医学的な知識を持ち合わせていません。フィクションであることをどうかご理解ください)

    ・魔法使いや精霊などについての設定の捏造

    ・体調不良やメインキャラの死亡の表現


    お楽しみいただけたら嬉しいです。感想などいただけると大変喜びます。
    いていな1にて展示していたもの(加筆修正版)それは小さな背中だった。

    晶や若い魔法使いの悲鳴や叫び声、熟練の魔法使いたちの切羽詰まった呪文を唱える声、ひときわ鮮やかに輝く大いなる厄災。
    先陣で存分に力をふるっている北の魔法使い、その後ろで隊を組んでいる西の魔法使いの合間を縫って、一匹の魔法生物が、負傷したヒースクリフと彼を後方で治療するミチルに近づいた。ぎりぎりの状態で誰もが自分の目の前にいる厄災で手一杯だった。だが夜が更けた今、世界で最も強い魔法使いはそういうわけにもいかない。ミチルの危機に気が付いたミスラの気がそれている間に、息を合わせたように厄災が一気になだれ込む。
    「シノ!」
    敵方の勢いに押されて段々と後方に下がってきていたシノの周囲には、弱ってはいるものの未だのたうち回るものも含め、ざっと10体近くの厄災がにじり寄っていた。肩で息をするシノは、尽きかける魔力を必死にかき集め、鎌の持ち手を支えにようやく立てているような状態だった。
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