子育て編
「じゃあ、20時には帰ってくからね。パパとお留守番しててね」
三歳になった息子の頬をつつく悟だが、ぷいっとそっぽを向かれてしまった。
一緒に行けないと、駄々をこねて大泣きした息子の目は赤く腫れている。
「○○。今日はパパと遊ぼう!」
傑が息子を抱き上げて背中を優しくさする。
「きょうは、ママとパパといっしょに、こうえんいくの!それで、はんばーばーたべるの!」
今日は、悟の後輩の結婚式なのだ。
初めは、「仕事に疲れている傑に、悪いよ」と欠席しようとしていたのだ。
だが、仕事と子育に追われるのはお互い様なんだから。と、二の足を踏んでいた悟の、背中を押したのだ。
「○○の好きなアイス、買ってくるから。ねっ?」
「パパとママもいっしょ?」
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