「おはよう」朝起きて目を開けるとあんたがいる。
仏頂面でやっと起きたかって呆れて言う。オレがおはようって言ってもおはよう、なんて返してくれない。けど、それでもオレはそんな毎日が嬉しかったんだ。
あんたは知らなかっただろうけど。
氷の海峡で目が覚めた時、あんたはもう居なくて。今までの2週間ぜんぶが夢だったんじゃあないかって。でも、あんたに置いてかれた悲しさと、それ以上に腹の底から込み上げてくる怒りが夢じゃなかったって教えてくれたよ。
ウェカピポ、オレあんたに会いたいよ。オレの気持ちを分かって欲しい。オレ あんたのこと好きだったんだぜ。
あんたにしてみればたったの2週間ぽっちのことだろうけど、オレにとってはきっと一生ぶんの幸せな2週間だったんだぜ。
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