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    るんつ

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    るんつ

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    ククシルの暗い小説
    220626 SNK男女CPオンリー参加作品

    【注意】
    *自傷行為、自殺についての素材・表現があります。
    *ちょっとだけドロ←ククっぽいけど一応ククシルです。
    *暗いです。


    ククリは眠っているドロレスのそばにずっと座っていた。
    ドロレスが規則正しく息を吸って吐いて、すやすやと眠っているという事実がまるで嘘のようだった。
    数年前のままの顔で、そのままの体で、しわひとつないままだ。永遠に老けない砂人形のよう。 触ると崩れ落ちそうな砂人形。
    朝日が昇るとドロレスが泥のように溶けて消えてしまいそうで、ククリは腕を伸ばしてその手をぎゅっと握りしめた。手の中に砂を閉じ込めるように手に手を握った。規則正しく脈打った.
    世の中を敵に回してもいい。罰を受けたっていい。この世にたった一人いるとしたら……
    大切さの意味が口に砂が入ったように苦く噛まれた。
    雨が降った後は地が固まると言ったけな。けれど、ここにはなかなか雨が降らない。不安になった。


    一人で暮らすシルヴィ·ポーラポーラの部屋には、口のない友達がいっぱいだ。
    シルヴィは古いが、まだふわふわのカエルの王子様を抱きしめて時々信号が途切れるブラウン管を見つめていた。テレビの中の人々の笑い声が鳴り響く。シルヴィは騒がしさに勇気づけられ、左側の目玉に声をかけた。
    「ポーラはね、家族がほしかったの」
    「テレビで『ザ·キング·オブ·ファイターズ』を見ると、いつも家族のようなチームが出るでしょ。テレビ越しに見ても分かる、「三人で家族」のような」
    シルヴィは目玉の友達の機嫌を伺って、「もちろんポーラたちも家族だけどね」と付け加えた。
    「…… だから奇跡みたいにミアンちゃんと一緒に『ザ·キング·オブ·ファイターズ』に出ることになった時は、ポーラにも「家族」ができるかもしれないと、少しだけ期待してたんだよ。 社長からククリという男が3人目だと聞いて、会う前からもうドキドキしてたんだ。… ポーラはね……」
    「ククリ」という名前を発音すると胸が痛む。私のようなポンコツには少しの関心も持たない男 。ポンコツ、そう、ポーラみたいなポンコツのポンには………
    「『チームK’』と『チームメキシコ』を見て、ポーラがどんな気持ちだったのか、ククリンにゃ分からないんだ。みんな壊れた機械からピョンピョンと跳ねだしちゃった廃棄部品のようだもんだと思ったけどね、ポーラだけだったんだ。ポーラ除いてみんな家族を作ってたんだ……」
    「でもポーラにもチームはある、と思ったのよ」
    「大会が終わっても、みんな暖かい縁でつながっているんだ、と…」




    朝になるとドロレスは彼女が宇宙の中で星になり、ほこりになり、無になって漂っていた時間の間、ククリが住んでいた地球上ではどんなことが起きたのか気になっていた。
    ククリはいくつかの戦争の状況と世界経済の流れとアイドル産業の最新流行などを要約してドロレスに説明した。ドロレスはいつものようにまじめな顔でうなずいた。そしてふとこう言った。
    「そうですね。ククリ、あなたはどうでしたか。元気でしたか」
    「クソ師匠がいなくなってからトラウマで苦労した、がこのように立派に砂を支配する男になってとても元気に暮らしていた」
    「そう。新しい友達はできましたか」
    ククリはその言葉が全く理解できなかった。
    「できるか」
    そう言うとドロレスの顔が眩む理由も、ククリには全く理解できなかった。



    目を開けると休日だった。
    シルヴィは休日が好きではなかった。 仕事はシルヴィに効能感を与えた。こんなポンコツの動きを見て喜ぶ人もいるという事実を確認してもらいたかった。
    しかし休日、シルヴィはすべてが無駄だという気がした。
    シルヴィはすべての元凶がネスツの不完全なテクノロジーと不完全なテクノロジーで人間を設計しようとした非倫理性にあると思った。要するに、すべての元凶はそもそも不完全な人間で作られた自分であった。不完全に作られているため、何をしても不完全だ。情けない。抜け出せない。
    真昼の悲しみをあざ笑うように太陽は明るく港町を照らしていた。きらびやかに輝く海を眺めながら、シルヴィは好きな日本アイドルを思い出した。
    記憶のテープを巻く。
    「質問!パイセンはなぜそんなに輝いておられるのですか!?」
    「そんなもんアテナやからに決まっとるやないかい!」
    巻き戻せば巻き戻すほど優しくない言葉が飛び出す不思議なテープだ。



    ククリは人と付き合うのが嫌いだった。余計な話を聞くのも嫌いだった。世の中の人々は不要な言葉が多すぎる。ククリは本当にそう思った。ククリ自身は「無駄な」ことは全く言わないでいるつもりだった。他人の事情にむやみに言葉を使わないということだ。
    だから人の口からこう聞いたとき、ククリはただ、不快だった。
    「本当にドロレスの息子?」
    そう聞いた時、ククリは危うく「どこのクズがそんなでたらめを言う」と動揺を露わにするところだった。もちろん実際にはフードをかぶったまま「貴様が関係するところではない。 他人の家庭問題に割り込む前に、ご自身の親不孝から振り返いた方がいい」と伝った。
    そして家に帰る途中ずっと、ドロレスを横目で見ながらククリはそれを思った。
    「誰がそんなことを言うんだ」
    しかし、聞く勇気は出ない。
    その口から出る答えが何であれ許す勇気が出なかったから。



    「家族」という名の元で降り注ぐ愛は燃える流星のようで、熱い火傷を残した。
    星は空にかかっているのが一番美しく、ククリは本当に家族なんか要らなかった。 すでに一度は捨てられた息子で、二度目は要らなかった。
    特別扱いも必要なかった。 ククリは恩師ドロレスの多くの弟子の一人でありたかった。 静かで美しい砂漠の中に混ざる柔らかい砂一粒、それがククリが思う幸せだった。



    誰もかものように、辛い記憶の間の暖かい記憶を再び辛い記憶が塗りつぶしている。改造人間シルヴィー·ポーラポーラは、どうすればこのよう人生を投げ捨てれるか悩んでいた。 格闘家の骨を砕くほどの威力を加えても、内部部品には傷一つない強化人間が自殺などできるのか。人を殺すために作られた強化人間であったが、自らのの電源を切る方法は知らなかった。
    「それでも」
    それでもこのように生きることはできないというのがポーラが下した結論だった。
    苦痛に終わりがあるのなら、ポーラはそこに辿り着いたかった。たっだそれだけの話。 一歩一歩、シルヴィは海の中に入った。そして体内の電気をまる出し放電した。
    シルヴィの目の前が光り、閑静なフランス南方の海に小さな津波が起きた。水しぶきの中でシルヴィは誰かの幻影を見た。その姿を知ってシルヴィは思わず笑った。
    「なんでククリングがそこにあるの?」
    フランスの海で眩い光が光っては消えた。



    ククリはフードをすっぽりかぶって腕を組んで、不快のオーラを噴き出し、保護者用の椅子に座っていた。
    誰が見ても押されて無理やり来た人だ。 シルヴィは苦笑いした。
    「ククリンと家族になりたかった。」
    穏やかな水面の上に落ちる水滴のように、言葉は波長を起こす。

    「どいつもこいつも家族という言葉をむやみに振り回してやがって!自称ママンの次はブラコンか? 俺様の運命って奴もまったく……」
    「そんなもんがあるやつは勝手に大切にすればいい!なくたって大したことじゃない。大したことじゃないと言っているのだ!」
    ククリは不在により感覚する心臓をつかんだ。
    「ないものがあると言うな、派手な口付けも要らない。穴のないドーナツになりたいのか? 完璧になりたいか?キサマはそんなに偉いのか? 俺様はいいから、俺様欠乏を満たそうとしなくても結構だ。キサマの欠乏を満たしてやるつもりも一切ない」
    「人生は一人で生まれて一人で死ぬもんだ。どうせ家族なんか、触れると砂より簡単に散らばるもんさ」
    「ククリンのバカ! 本当最悪!」
    「キサマのー」
    何かを言おうとしていたククリは口をつぐんだ。シルヴィー・ポーラポーラが突然涙を流したためだ。シルヴィはそれを急いで手の甲で拭こうとしたが、雨粒一滴がたちまち夕立になるように涙がぽろぽろ落ち始めた。その時点で、シルヴィはついつい諦めて座り込んで、わあわあ泣き出した。
    ククリはそんなに泣く人を見たことがなかった。
    だけど、自分もそんなに泣きたかったことがあったという事実がふと思い浮かんだ。
    ククリは初めて自分が散らした破片を見た。それに刺されたシルヴィの流した血を見た。 ククリは突然罪悪感を感じた。自分の足元にも血がたまっていた。業報(カルマ)はいつも公平だということは、ほかならぬ自分の信念だったはずだ。誰かに罪を犯した人は必ず相応の罰を受ける。
    「では、この痛みは、チンチクリンの痛みに相応するものか」
    両手にあふれて、ククリはその痛みを全部受け止める自信がなかった。



    宇宙は巨大で星は回転するが、空は動かない。 砂漠を歩くとまた砂漠だ。 明けない夜もなく、永遠の昼もない。
    ククリはただすべてのことがそのように存在していて欲しかった。
    自分なんかとは関わらず、美しいものが美しいまま、その場にとても長い時の間存在してほしいと思った。
    「だからせめて生きている間は、ただそのままそこにいろ。ありのままでいいから…」
    眠った顔に向かってつぶやく。

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