きみの運命にのせられてモンやまは元は野良モンでした。家族が欲しいなぁと願う野良モンでした。人間と仲良く暮らすモンがとても羨ましいのです。
道ゆく人に「ヤ~(家族にして~)」と話しかけますが見向きもされませんでした。そんな日々を過ごしていたある日「お前一人なのか?」とオレンジ頭の人間が話しかけてきました。その人の肩には同じ色をしたモンが乗っていて心配そうに見つめてきます。
「ヤー!」
もしかしたら拾ってくれるかもしれない、淡い期待を抱きながら返事をします。オレンジの人はうーんと悩み「俺の家はもうダメって言われてるしなぁ……」と呟きました。その言葉を聞いて胸に宿った期待は一瞬でなくなりました。
『やっぱり、ダメなのかな』
希望は涙となり溢れ出します。大粒の涙を見てオレンジの人は慌てました。
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