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    daizunomoushigo

    @daizunomoushigo
    北スバ/Trickstar/成人済腐女子

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    daizunomoushigo

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    webオンリーに滑り込みで何かを置きたかったので置きに来ました。

    古に描いた文字のちょっと手直しバージョンです!
    そしてバレンタインじゃなくてこれは12月の話なんだけど、冬だから許して下さい。(でかすぎる括り)

    #北スバ
    hokusuba
    #ほしつれ0213
    starlet0213

    なにかをあげたり貰ったりする話 間もなく12月に入るそんな頃、なにか欲しいものはあるかと尋ねられたので、一緒に星を見に行きたいと返した。
     付き合い始めて何度目かの冬。恐らく聞かれたのはクリスマスのプレゼントの事だろう。分かりきっていた事だったからこそ相手との時間と約束を強請った。
     そう伝えられた相手はというと、恐らく形のあるものを答えられると思ったのだろう。一瞬驚いたすぐ後に柔らかく笑って「わかった」と頭を撫でてくれた。

     師走とはよく言ったもので、俺たちが身を置く芸能界もイベントごとや特番で大忙しだ。そんな多忙な日々を過ごしながらようやく星を見に行けたのがクリスマスの前の週。オフ前日の仕事終わりに合流して、俺たちはそのままドライブに出かけた。
     小1時間ほど走らせると、山頂付近にある見晴らしのいい駐車場に到着。車を止めて外に出てみると、どうやら人気はまばらなようだ。それを確認すると、隣の男は安心したように一呼吸つくのだった。「そんなに気にしなくてもいいのに」と零せば、その度「自覚しろ」というお小言付きで帽子やらマスクやら渡されるので今日はやめておこうと思う。
     
     駐車場横にあった自販機で缶コーヒーを買い、車の近くのベンチに向かう。他の客から見たら、停めた車に隠れて俺達は見えない様なので、上手いところに停めたな〜と感心した。

     ベンチに腰をかけて、買ったコーヒーをすすりながら空を見上げると、そこには思い描いてたよりも広大で、煌びやかな空が広がっていた。
    「うわぁ~…すっごいね…」
    「近場だが、なかなかいいだろう?」
     思わず漏れた感嘆の声を聴いて、あっちも満足そうだ。そういえば、数日前サリ~からすごい下調べしてたぞって聞いたんだったっけ。
    「うん、想像よりずっとキラキラしてて驚いちゃった!ありがと、ホッケ~」
     まるで乾杯するみたいに、飲んでた缶コーヒーの底をぶつけてカンッと音をたてた。

     そうしてコーヒーを飲みつつしばらく星空を眺めて、どのくらいか時間が経った頃、懐に忍ばせていたものを差し出した。
    「はい、どうぞ」
    「これは…」
    「誕生日プレゼント!って明後日だけど、その日ホッケ~仕事じゃん」
    「あぁそうか、すっかり忘れていた」
     忙殺されていたのだから仕方ないけど、この様子だと自分の誕生日がもうすぐだってどっか行っていたなコイツ、なんて顔を見ればきょとんと音がしそうなくらい、いつもの整った顔が不思議そうな表情を浮かべていた。時々みせるちょいレアの子の表情はちょっとかわいくて面白い。
    「あぁすまない…いや、ありがとう。ここで開けてもいいか?」
    「どうぞどうぞ~☆」
     それを聞くと、コーヒーの缶を脇に置き、はめていた手袋をわざわざ外してから、手渡された木箱を開ける。こういうところ律儀だよね。
    「これは…万年筆か?」
    「そう!これさ、ペンの後ろのところに、ら…でん?貝殻の細工がしてあるでしょ?これ見たとき、ホッケ~が前に見せてくれた万華鏡みたいだな~と思ってさ、これがいいな~って思ったんだ。」
    「…そうか、ありがとう。嬉しい。」
     自信がなかったわけではないが、素直にありがとうと言われて、選んでよかったなと再確認した。風も強くて寒いはずなのに、なんだか胸のあたりがすごく擽ったくて暖かい。
    「ホッケ~…」
     抱きしめたい。抱きしめられたい。その気持ちを言葉にする前に、わかっていたように相手の腕が伸びて身体を引き寄せられた。
     そのまま相手の身体に擦り寄って、ぎゅうっと音がしそうなほど強い力で抱き返す。
     明星、と低く擦れた声が耳元でして、あぁキスかなと思って顔を上げると、予想通りいつもの優しいキスが降ってきた。そういえば俺たちいま、帽子もマスクもしてないな、なんてぼんやり考えたが、降ってくるキスに応じている間にどっかいってしまった。
     
     しばらくしてお互いの唇がはなれると、すぐに今までの感覚をかき消すような冷たい冬の空気が、唇から肺の中に広がって…まだ鼻先が触れるほど目の前にいるのに、なんだか寂しく感じてしまう。
     さっきまで暖かかったからなのかわからないけど、とにかくそれを振り払うようにもう一回抱き着いた。

     そんなこっちの気も知らないで、なんだ足りなかったのか、みたいな感じで頭にまたキスが降ってくる。
     なんだよ、寂しいの俺だけじゃん。勝負事でもないのになんだか悔しくて、でも確かにまた胸の内に暖かさが戻っきて、心臓はいつもより大きな音を立て動いていた。

     相手の肩に顔をうずめながら、そういえば誕生日プレゼントはあげたけど、クリスマスのプレゼントは俺からあげてないやと思い至って。それでも目の前の男はやっぱり満足気に「来てよかったな」なんて零すものだから、なんだか1mmの隙間もなく、心臓がくっつくぐらいもっとぎゅっと、身を寄せたくなってしまった。

    「俺の心臓、ホッケ~にあげちゃえたらいいのに」

    「なにか言ったか?」と、また低く掠れた声が耳元でしたので、ううん、と返事する代わりに、もう一度キスを返した。
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