ゆりかご セックスしないと出られない部屋に閉じ込められて、俺は千夜を数える。オズと一緒に閉じ込められたのがよくなかった。当然の如く条件は満たせず、俺たちは未だ部屋の中だ。しかし、まあ。最初はどうなることかと思ったけど、今ではなかなか上手くやっている。この部屋の主人(おそらく精霊)はちょろいので、セックスするために個室がほしいといえば個室をくれるのだ。おかげですっかりと快適な生活を送っている。その証とでもいうべきか、今日もオズは自室から眼を擦りながら出てきて、俺の膝を無造作に枕にした。全くもってリラックス。いや、距離感えぐいな。俺の手だって、気がつけばオズの髪を梳いているのでたまらない。正直、今のオズなら押し倒せば致せる気がするけれど、俺もこの距離感が嫌なわけではなくて、だからその、困る。穏やかな寝息。やわらかな心音。ねぇ、忘れちゃった?
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