仲直りの方法「ずうっと前から大好きです! 良かったら、私とお付き合いしてくださいっ!」
耳まで染め上げた顔を隠すように下を向いて、強ばった手を教官に伸ばす。
わかるよ、口から飛び出しそうなくらいドキドキしてるんだよね。
一世一代の告白を遂げた女の子に向かって、呑気に首の後ろをポリポリと掻いたウツシ教官は、面倒そうに「あー……」とか声を出している。目には笑顔を浮かべたまま。
「気持ちは嬉しいんだけど、俺お付き合いしている人がいるんだよね。だから、君の気持ちには応えてあげられないよ~」
ヘラヘラ笑いながらの謝罪に誠意はなく、真剣に取り合っているようにすら見えない。
「そ、んな……じゃあ、あの……せめて、その……」
もじもじと上手く紡げない様子を見て、教官は再び手を首の後ろに回した。ああやってわざとらしい作り笑顔を浮かべながら項の辺りを掻く時は、イラついている時に出る癖。
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