無題この人、幽霊みたい。
初めてレイスを見た時、失礼ながらそんなことを思った。
覇気のない目はまさに幽霊のようで、その情調からは成仏のできない霊体を彷彿とさせる恐ろしい執念と強い意志を感じた。
そんな不思議な佇まいが印象的で、私は出会ってしばらく彼女から目を離せなかった。
それと同時に既視感を抱く。
私はこの人を知っているかもしれない。だけど、よくある顔だし気のせいかもしれない。
ぐるぐると悩まされ、結局それは気のせいなんかじゃなかった。
なんの因果か、私は15の時、レイスに命を救われていた。
Apexゲームに必要不可欠なリング。その開発段階で、私の意地が原因で事故が起きた。
その現場にレイスが居合わせていなければ、私は間違いなく死んでいただろう。
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