無題 夢を見る。これは夢だと思う。ドミネーター、の一部に触れる。大量のフェムトエネルギーがアーセナルにまとわりつく。声がする、選べと。選ぶ。たくさんの知らぬ顔、少しの知る顔の中から我が子を。選ぶ。ただ一人を。それでいいとまた別の声がする。彼は選ばれたと声が「リーパー」
クロンダイクが俺を呼ぶ。
「数値上、同調は完了したようだが……、何か考え事でもしていたか?」
「なにも」
「ならば変われ。……そろそろむこうに見つかるかもしれんなあ、警戒を怠るなよ」
促され、そこから離れる。入れ替わるようにクロンダイクがブラックロータスの中心部に入る。レーダーには、すでに、アーセナルの反応がある。クロンダイクめと毒づく。
まあいい、相手があと一歩でも動いたら警告射撃を行う。それだけだ。
「忘れるなリーパー、お前の選んだものを」
目覚めて思う、またあの夢か。
ブラックロータスに取り込まれ、かけた、あの時のことを最近何度も夢に見る。うなされるようなひどい悪夢ではないのだが、クロンダイクの声で目覚めるのは気分がいいものではない。