ヤケになって頼んだレンタル彼女が瀬田薫だった話「あんたと付き合ったのも、最初から金目当てだったし」
大学一年の春。俺が人生で初めて付き合った彼女は、そう言って去って行った。
その子は俺が通う大学のアイドル的存在で、俺たち男子学生たちにとって高嶺の花だった。
そんな子が俺を好きになってくれたんだ、嬉しいな、って思ってたのに。晴れてキスしようとした瞬間、彼女はそう言ったんだ。
お金だって俺が見栄張ってなけなしのバイト代から出してただけだ。別に大富豪でも恵まれてるわけでもない。
ああ、しんどい、しんどすぎる。俺、明日から何して生きていこう。愛する彼女がいなくなった今、俺は何を糧に生きていけばいいのかな。
「傷心だねぇ、〇〇さん」
「……まりなさん」
そんな俺に話しかけてくるのが、俺のバイト先の先輩である月島まりなさん。
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