再会 己を呼ぶ声が聞こえる。遠くから、後ろから、足元から呼ばれている。声は手足の先からゆるゆると登り、耳の奥でこだまする。
嗚呼、そんな声で呼ぶなよ。すぐに行くから、大人しく待ってろよ――
「――大聖、」
薄っすらと目を開けた先に見慣れない青年僧がこちらを覗き込んでいた。
「大聖、久しぶりだね。僕のことわかる?」
ここ最近で坊主の知り合いは二人しかいない。一人は爺さんだ。となれば残りは一人。
「お前、リュウアーか? 随分大きくなったな」
「そう? あんまり変わらないと思うんだけど」と腕を広げてくるりと回ってみせる。
「大聖は変わらないね。まぁ当たり前か、不老不死だものね」
ふふ、と笑う様に懐かしさが込み上げる。
1256