犬見家の一日(予告版)(ご主人’sについては敬称略)
犬見家の一日は早い。当主であるるく様の起きる前から各々動き出す。
るく様の身の回りのお世話をする、通称「ご主人's」は自らの生活の傍らで、交代でるく様の身の回りのお世話をし、当主であるるく様の配信活動をサポートしているのである。
まだ陽が昇るか昇らないかの時間から、朝当番に当たっているご主人'sは朝の準備に取り掛かる。
朝食担当班の○○は早速ご主人'sのを含めた朝食作りに取り掛かる。ご主人'sのを含めると約10人分となるため作るだけでも大変だが、更にるく様の好き嫌いを把握した上で食べられるように調理を工夫する必要があるために時間がかかる。レシピは事前に調理長のKen-Gがマニュアル化しており、他のご主人'sが取り掛かっても質が落ち無いようになってきた。
一方、身の回りを担当する○○は、今日るく様が着る服やお散歩に行く用の荷物の準備に取り掛かる。るく様がお散歩先でも恥をかかないように準備には抜かりない。
ある程度準備が出来た頃に、朝当番のご主人'sと出稼ぎに出かけるご主人'sは一足先に朝食を摂る。ここで出稼ぎ組の一部は出勤し犬見家を経済的に支えるために今日も精を出す。
朝当番組が朝食を食べ終えたのち、頃合を見計らってるく様を起こしに向かう。両隣には添い寝担当の○○と○○がいるはずだが、例によって寝相がよろしくないるく様によって、深夜のうちにベッドから落とされたようだ。
「ごしゅ~…おはよう~…」
「おはよう、るくくん、お目覚めいかがですか?」
「んん…眠いけど起きる…」
「かしこまりました、朝ごはん出来てますよ」
「今日の朝ごはんは誰が作ったの~?」
「今日は○○が作りましたよ」
「おお~、○○君の○○は美味しんだよね~」
本来このような邸宅の食事の場合、当主家族と使用人は別々に食事を取るのが普通であるが、犬見家では当主のるく様の御意向によりご主人’sと一緒に食事をすることが決まりとなっている。現在この家には当主の家族はるく様一人であり、使用人といえども実質家族のような雰囲気になっている。るく様がどんな時も寂しくならないように、というご主人’sの意向もある。
「「いただきま~す」」
家にいる人が皆食堂に揃い朝食を摂る。ここで食事ついでに今日の予定を執事の○○から伝えられる。朝の穏やかな一時はるく様やご主人‘sにとって一日の活力になっていて、るく様にとっても帰る場所を認識させてくれる時間になっている。
朝食を摂り終わると各々持ち場に戻る。るく様はお散歩へ向かう準備をし玄関へ向かう。玄関では執事の○○がお見送りする。このお見送りは執事にとって、るく様の身体的及び精神的体調を最終的に見極めたり、忘れ物の最終チェックを行ったりなど大切な仕事の一つだ。
「るく様、いってらっしゃいませ」
「うん!行ってくるよ」
こうして犬見家の一日は賑やかに始まっていく。