「ねぇ、レオー。もう帰ろうよー」
「まだ、ダーメ！　こっちのぬいぐるみ取ってから！」
「えー、そっち俺のぬいぐるみでしょ？　別にいらないよ。レオのぬいぐるみだけあれば」
「そういうわけにもいかねーの！」

　小さな貨幣投入口に百円玉を次々と入れる。

　俺は眼の前にあるクレーンゲームから十五分は動けないでいた。それもそのはずで、三千円ほど注ぎ込んでもなかなか凪が取れない。凪を模したぬいぐるみが。ちなみに自分のぬいぐるみは既に取れている。さっき凪が取ってくれた。数百円で。それなのに。

「あーーー、クソッ！　ぜんっぜん取れねぇ！！」
「俺がやろうか？」
「それもダメ！」

　凪のぬいぐるみは俺の手で取りたい。ガチャガチャとレバーやボタンを操作しながら、凪ぬいを掴む。だが、すぐにアームから落ちて、ころんと転がった。しかも奥の方に。

凪玲-兔子的口欲期（5）曾经有人质疑凪是一个性冷淡，想当然的吧。看起来一副对什么东西都不在意的样子，毕竟把懒懒散散度过一生当作是自己的人生理想的人，要如何懂得心动，并愿意为了那个人付出呢？

　　凪也曾经这样以为，他钟爱平静的，毫无波澜的每一天，那令他舒适。从未受到过挫折，也从未品尝过疼痛，凪的一生如同他的名字一般，风平浪静。

　　——直到那一天...直到那一天，从楼梯口从天而降的人。

　　第一次被人看到，第一次和他人缔结约定，第一次感受到热忱，第一次体会到愤怒，第一次燃起一定要得到什么的心情。

　　——以及第一次，听到爱的声音。

　　凪，感觉自己重新降生了一次。在那之前世界就是凪的羊水，温暖，平静，毫无波澜。

　　玲王是凪再次降生后所有的第一次的最终解答。