繋ぐ夜、星は花。繋ぐ夜、星は花。
朝から降り出した初秋の雨は止むことを知らず、鈍色を帯びた世界に矢の如く突き刺さり激しい音を立てていた。
それは晶や魔法使いたちが寝食を共にしている魔法舎も例外ではない。晴れた日には清涼な風が吹き込む窓も、現在は雨水が浸入しないようにその全てが閉じられている。
そんな魔法舎の談話室で、晶はひとり窓の外を眺めていた。
普段であれば魔法使いの誰かしらが晶に声をかけ、紅茶とお茶菓子を片手に楽しく談笑をしていただろう。
しかしながら今の魔法舎からは、若い魔法使いの笑い声や、鍛錬の音、魔法がぶつかりあっている衝撃音すら聞こえてこない。
その日は朝から珍しいことに、魔法舎にいるのは晶一人だけであった。
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