誰も知らない、教えたくもない、密やかな私だけのモノ語り。
背中にある本人も知らない黒子。刻まれたいくつかのキスマークと噛み跡、縋ってついた爪痕。
指で辿りつなぐと、震えるくちびる。
伸ばされた手、浮き上がり脈打つ血管、濡れた先端。
妖しく光るその瞳が、眩しくて目眩がする、夜。
君と私をつなぐ点と点。
離れていても、それを結んで星座が出来る。
形を変えるその星座を知っているのは、お互いに二人だけ。
神様、カミサマ、神様。
そこにいるのなら聞いてほしい。
どうか、このまま。
二人を結んだままで。
いるかどうかもわからない、不確かな存在にすがりたくなるほど、君に溺れている。
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