破滅フラグはへし折ります! いつからだろう。いつからすれ違ってしまったのだろうかと五条は極めて冷静に考える。
今五条の目の前に立っている子は申し訳無さそうにこちらを見ていた。
「悠仁……今、なんて……?」
「ごめん、悟さん……俺、もう別れたい」
別れたいという悠仁の方が今にも泣きそうな顔をしていて、五条はそれ以上何も言えなかった。
「本当にごめん」
なんで。どうして。頭の中では次々と言葉が浮かぶのに、震える口からそれらが出ることは無かった。
「…………さよなら……」
見慣れたリュックを掴むと悠仁は五条の横をすり抜けて玄関へと向かう。
「悠仁……」
自分とは思えないか細い声にも驚いたが、それでも悠仁は振り返ることなく靴を履くと玄関のドアを開けて出て行った。
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