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    27don

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    POIPOI 17

    27don

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    夢現。バレンタイン乱寂のようで独寂でひふ寂。

    肌を這う手に声をあげる。
    誰の手かはもうわからない。
    顔を覚えること、人数を数えることはもうやめた。
    求められるままにわざとらしくあざとい声をあげていたのは随分前で、今はもう他人事のような悲鳴と懇願。

    もうやめて、許して、お願いします、お願い…いや、いや、もういや。悲鳴。

    何度繰り返されたかわからない。

    何度目かの無意識から呼び起こされ、柔らかく肌を這う手。
    もうやめて…と、震える声を塞ぐ唇。ひどく熱を帯びた視線と、汗ばんだ手のひら。ぐずぐずと崩れ落ちる身体を支える、華奢な見た目よりも頼もしい腕。

    先生。
    先生。

    囁きながら両耳をついばむ彼らはいつも優しい。
    優しくて、もどかしくて、気が狂いそうになる。

    そうではなくて、と、思うが度を越えた快楽への恐怖から言葉には出せない。
    もうやめて、と、子どものように愚図る私を、彼らは優しくあやし、髪を撫で、そして抱く。

    お願い、もっと。
    そう言葉に出せたなら。

    泣かないで。もっと上手におねだりしてごらん。寂雷。そう、とってもいいこ。

    記憶の奥底に閉じ込めてもふいに零れだす声。
    言葉とは裏腹に小さな手は巧みに私を追い上げ、がんじがらめにする。心も。体も。逃れられなくても構わないとさえ……思っ…たのに…

    「……なんて夢だ」

    声に出して、現実を確かめる。
    枕が涙と涎で濡れていた。あろうことか下着まで。
    まだまだ若いな、咄嗟に浮かんだ自嘲にもならない下品な冗句に吐き気がする。


    そうか。もうすぐバレンタインデーだから。
    街中に赤やピンクのハートがあふれているから。

    不安の原因を確定すれば対処法はある。
    大げさな溜息で頭にこびりつく懐かしい声を吐き出し、ベッドから起き上がった。


    今年はバレンタインチョコレートを作ろう。
    二人ならきっと喜んでくれる。
    甘えていると自覚。それでも。
    苦い思い出を、少しずつ。優しい思い出で包んでいけたなら。

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    C7lE1o

    MOURNING推し作家さんのマシュマロに投げ込んだら素敵に仕上げて頂いて成仏した妄想

    成仏先↓
    【番外編】心の壁を壊すには、茨の本心を知るべきです | 琉 #pixiv https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17307253
    Edenの3人になにかに誘われても断る茨(一緒に帰りませんか、これ一緒に見ない?、ご飯食べにいこうetc)、それは自分が嫌われていると思っているからで、それを偶然会った弓弦に零すと歩み寄るのも大切、みたいな感じに諭され、ちょっとずつお誘いを受けるようになり、こういうのも悪くないかもな、と思っていたある日レッスンか何かで日和を怒らせてしまって、キツめのことを言われてしまい、やっぱり自分が好かれることなんてありえない、ちょっとでも好かれているかもなんて思った自分が馬鹿だった、と心の中に分厚い壁を築いてしまう、やっぱり駄目だった、俺なんかが好かれるわけないんだと弓弦に吐き出すと、少なくともここに一人おりますが、と言われてこのときばかりは素直に弓弦にお礼を言う茨(ここでくっつく?)、そして表向きはそれまでとは何も変わらないけどお誘いを再び断るようになり、Edenの3人もあれ、なんか距離遠くね?と気づき始めたころ、いつものように食事の誘いを断った茨が弓弦と一緒にご飯を食べているところを目撃、その二人の表情はとても穏やかで、言い合いをしている二人しか知らなかったEdenの3人は複雑な感情を持ち、Edenの3人が見ていることに気づいた弓弦(茨は気づいていない)がこれみよがしにイチャイチャ()するのでめちゃくちゃ嫉妬する、
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