ハッピーハロウィン? 今日で十月も終わる、金曜日の朝。俺はラブホテルの洗面台に向かって、身なりを整えていた。目の下の隈はどうしようもないけれど、代わりに髪と髭だけは、このまま出社しても問題ない状態にまで持っていく。
今日は七と五連勤目。鏡の中の自分は相変わらず死んだ顔をしているが、どこぞのギャンブラーのように七を強調して物事を考えられる程度には、回復している。
明日にはようやく休めるし、何よりもそのギャンブラーと共に一晩過ごして同じベッドで深く眠り込んだおかげで、なんとかラストの一日を乗り越えられそうだ。
「なあ、このシャツって今日はもう着ねぇの?」
件のギャンブラーが、ベッドルームの方から声をあげてきた。「んー?」と生返事をしながら剃り残しのチェックを終えて、そちらに戻る。
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