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    せなん

    地雷原(成人済) 誤字魔

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    せなん

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    アーサー×セティ、突然の現パロとモブとスイーツ。オチ割と迷走気味。

    ##小説

    ――

    午後2時30分、喫茶店は昼食の混む時間を超えたら次は軽食の為の客が来る。話し込む客が増えるため回転率は下がるが、席は空いているという状況ではない。
    「いらっしゃいませ〜」
    カランカランと店のベルが鳴る。入ってきたのは緑の髪が特徴的なボブより少し長いショートヘアの青年と、紫がかった銀髪のサラサラした長髪の青年。甘い物が全く似合わないというタイプではないが、女性客が多いこの喫茶店では珍しい方だ。それと大学生だろうか、二人とも大きめの鞄に本や紙が見えたため壁際の荷物がおける席に案内した。
    「二弾スフレパンケーキセット、ドリンクはラテアートのおまかせで。」
    「……、フレンチトーストセットでドリンクはホット。あ、ブラックでお願いします。」
    恐らく緑髪の青年の趣味で来たのだろうか。目が輝いており、普段落ち着いているであろうテノールはやや弾んだ声をしていた。恥ずかしそうにフレンチトーストを注文した長髪の彼と対照的だった。

    「お待たせしました」
    「「おぉ!」」
    二人は続々と運ばれる料理に目を輝かせていた。ラテアートは緑髪の彼に合うような草花の模様だ。
    「ごゆっくりどうぞ」
    厨房に戻ると二人はスマートフォンを料理に向けていた。可愛いという男声はこの店内ではよく聞こえるものだ。
    「最後、こっち」
    二人はインカメでツーショットを撮ったようだ。(男同士でツーショットは撮るものなのだろうか) 少し目を離したのちに覗き見ると、2人はいただきますと礼儀正しく挨拶をし食べ進めていた。
    「ほら、あーん」
    長髪の彼は1口より少し小さいフレンチトーストを緑髪の彼に差し出していた。そのまま緑髪の彼はぱくりと食べた。
    「……美味しいな。せっかくだしまた食べに来てフレンチトーストを頼もうかな。」
    「えぇー…俺ここ入るのハードル高いんだけど。あ、パンケーキの方頂戴。」
    「わかった。口開けて。」
    「はーい」
    と2人は食べさせ合っていた。
    (……気のせいだろうか)
    客に余計な詮索は良くない。また目を離して見れば、普通にスマホを触りながら飲み物を飲んでいる。最近バイトが楽しくてシフトを入れすぎたせいなのかもしれないな。そのまま忙しくなり始めた厨房に戻った。

    この喫茶店はテイクアウトと、あと小物雑貨の販売もしている。二人は重そうな鞄を持ちつつ商品を見ていた。
    「あーーー迷う」
    しゃがんで商品を見る長髪の彼はがしがしと頭をかいていた。
    「店員さんに聞けばいいんじゃないか?」
    「絶対誤解されんじゃん…俺ら浮いてんのに……いやそれが1番早いだろうけどさぁ……」
    といいつつ長髪の彼がレジの方に向かってきた。
    「如何なさいましたか?」
    「あーー、あの。」
    一息。そして小声で話しかけてくる。
    「妹の誕生日プレゼントで渡すおすすめのやつってなんかあります…?」
    「プ、プレゼントですか?」
    一瞬ナンパの類か、はたまた見すぎと注意が飛ぶかと思い身構えたが、どうやら妹のプレゼントを探しているようだった。
    「あんま高くなくて、できれ ば可愛い感じの。あっあと陶器とかの割れ物じゃない方が助かるんですけど……」
    「ではこちらはいかがでしょうか?」
    勧めたものは可愛らしい紅茶の缶と喫茶店のクッキーがセットになったものだ。値段もプレゼントに気負わない程度の価格帯なので問題はないだろう。
    「…私も買っていこうかな」
    「えっお前んとこのだとこっちじゃね?あっありがとうございます。ちょっとしたら会計行くんで!」
    と二人は再度プレゼント選びに夢中になっていた。
    (二人は妹さんのプレゼントのためにわざわざここに来たのかな?男女カップルならともかく男二人だとなぁー……)
    「あの…すみません?別会計と、あとラッピングってできます?」
    「わ……、は、はい!」
    考え事をしているうちに二人は会計に来た。先程勧めた紅茶とクッキーも持っている。
    「ではお会計は――」
    料理と紅茶缶とクッキーと、あとソーダフロートを模したキーホルダーの会計をした。
    「ありがとうございました〜」
    ラッピングした商品を渡し、二人を見送る。
    (あれ…?)
    そういえばソーダフロートのキーホルダーを二人は買っていった。が、緑髪の青年はラベンダー色の、長髪の青年は緑色のキーホルダーを買っていた。普通、自分の好きな色を買うのではないだろうか?特にあの二人は地毛ではなさそうだし、わざわざ染めた自分の髪の色の物を買ってもおかしくない。
    「いやまさかね……」
    3時に向け客足が増える。注文のベルが鳴るホールに戻っていった。


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