アレセリ大体140文字SSつめ――
140文字SSのお題さま
https://shindanmaker.com/587150
このSSのお題は上記診断メーカーで出して頂いております。ありがとうございます!
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「アレス、好きだよ♡」
「ーーっ!」
不意をついて耳に囁いた。恥ずかしいなと顔を上げれば、耳を押さえ顔を真っ赤にしたアレスがいた。口もはくはくと忙しない。
「……もしかして耳弱い?」
ふっと息を吹きかけると肩が震えた。
「お、まえ…誰にも言うなよ……」
ほら早く忘れろ、と釘を刺された。
――忘れてあげる
「僕はここにいるから…大丈夫だから…」
悪夢に魘されたアレスが突然起きた。パニックに陥るアレスにセリスは抱きつき、優しくとんとんと背を叩く。そのまま落ち着いたのかアレスの体は重くなっていった。
「どこにもいかないで…」
肩口に冷たい感触がする。幼子のよう弱々しい力で服を握られた。
――どこにもいかないで
「溜息付いて手紙燃やして…どうしたの?」
部屋に入ると眉を顰めるアレスがいた。
「縁談。……もう、終戦も近いしな。」
戦が終わるのは良い事だ。と同時に離れ離れになること、後継の為に結婚することも表している。
「もう少しこのままでいさせてくれ」
「うん」
アレスはセリスの手をぎゅっと握った。
――大人になりたくない
桃色、黄色、水色…店に並ぶのは色とりどりの氷菓子。セリスはお使いで来たが目移りしそうだ。待たせるのも悪いと直感で購入をする。
「へえ」
アレスにお使い分を渡す。アレスの分はソーダ味、セリスはレモン味だ。
「直感ね…」
アレスは隣で氷菓子を味わう、目線少し下にあるセリスの頭を見やった。
――その色は誰の色?
「普段吸わないけどな」
半裸の上半身を起こしたアレスは露店で買ったらしい煙草を吸っていた。
「どんな味?」
セリスも体を起こそうとするが、アレスにふっと煙をかけられた。
「お前は知らなくていい味」
「…もう」
アレスは火を消すと膨れっ面のセリスにキスをした。そのままシーツに長髪が広がった。
――わるいおとな
AM 3:00、ふとアレスは目を覚ました。
隣には肌に花を散らしたセリスの姿。むにゃむにゃと音にならない寝言の間、自分の名前が聞き取れた。夢の俺は何をしてるんだろうな、セリスの額にそっと慈しむよう口付けを落とした。
おやすみセリス、良い夢を。暖かな布団のなか再度アレスは目を閉じた。
――AM 3:00
「その歌…」
「さっきの聞いてて!良かったよ!」
先程アレスはリーンの演目で歌っており、セリスも聞いていたようだ。
「踊り子の歌なんざ鼻歌でも歌うもんじゃないぞ」
異国の言語だが、歌う前アレスは歌詞の意味をリーンから聞いていた。
「恋人のきみにラブソングを贈るよ、どうか応えてくれないか」――ラブソングを歌うよ