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    jiroponzu

    @jiroponzu

    夢絵描きです。自己投影・顔ありなんでも描いてます。

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    jiroponzu

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    今書いてるやつ終わらなくてつらいから欲ぶちまけた

    誤字脱字あるかもしれない

    ノレ🈂️のペットになりたい・指ズブズブされたい欲が溢れて書きました

    幸福な食卓ペットとして迎えられた私は、主人はルーサーで、主にランダルの相手をすることを指示されていた。ランダルは普通の人間とは思えないような遊びを提案してくるので、最初の頃は拒否して自分や周りを攻撃していたけれど、そうすることでどんな思いをする羽目になるかを一度死ぬ寸前まで分からせられたので、なるべく静かに、おとなしく、従順に過ごしてきた。
    あの時は本当に怖かった。地下室に閉じ込められて、ありとあらゆる方法で自分がこの家のペットであるかを教え込まれた。地下室を出た頃には、前のように暴れたりせず、命令をよく聞く良いペットになっていた。洗脳と言うよりは、諦めがついたのだろう。
    そんな頃、新しいペットが入ってきた。人間の男だった。正真正銘ランダルのペットとして向かい入れられた彼__セバスチャンは、初期の私のようにことあるごとに逃げ出そうとしていた。その度に、私やランダルの人形が彼を見つけ出して、ランダルの元へと戻すことをしている。
    ニェンやニョンに任せないのは、私がモノ探しを得意としていて、尚且つ必要以上に傷つけたりしないからだろう。
    今日も部屋から逃げ出してどこかに隠れているセバスチャンを探す。ランダルの人形を一つ連れて、家の中を歩いた。形の変わるこの家は、覚えても意味がないからなんとなくて歩いていた。目についた部屋を開けながら、人形や虫たちに話しかける。
    「ねぇ、セバスチャンを見た?」
    「見てないよ」
    「そう。ありがとう」
    初めは顔のついた虫や喋る人形に怯えていたけれど、慣れて仕舞えばなんてことはない。家中を歩き回っていると、やっとその姿を見つけた。
    「セバスチャン。今日のかくれんぼはもう終わりだよ」
    「ひぃ!お、お前、毎回毎回なんで俺の居場所が分かるんだよ!?」
    「分かるんじゃなくて、探しているから見つけているんだよ。」
    「もう勘弁してくれよ……お前も分かるだろ?あいつの遊びは普通じゃない!」
    「そうだね。でも、ご主人様の言葉には従順でいなきゃ」
    セバスチャンの手を引き、ランダルの元へと向かう。隠れ続けてはいるが、私が見つけると彼は口答えをしながらもついてきてくれた。一番初めに、彼が抵抗して私の頭をかち割ったのを気にしているのだろう。すでにルーサーに身体をいじられているから、大した怪我では無かったけれど、人間である彼にとっては衝撃的だったようだ。
    「なぁ、お前もここから逃げたいと思わないのか?こんな頭のおかしいやつらと、暮らしていて気が狂いそうだよ」
    「そうだね……。私もこの家から出たかったよ」
    でももう遅い。私は気が狂ってしまったのだ。
    記憶の無い家族や昔の自分について、何度も考えては恐怖で泣いていた。何も思い出せない。きっと、セバスチャンも同じだろう。私にとって、私を私たらしめるものは、もうこの家にしかなくなってしまった。
    「セバスチャン、私にはもうそんな気力が無いの。私は一度、ご主人様を怒らせたことがある。あなたの主人は優しいから、あなたが逃げても必ず引き戻して、特にお叱りもしないけれど」
    ランダルの部屋の前に着くと、私は静かにそう言った。
    ランダルを傷つけ、ニェンやニョンにも物を投げつけて、インテリアを破壊した。何より、ルーサーに暴言を吐いたことが最後の決め手になった。
    それまで私に対しては「困った子」と言っていたルーサーが、顔を引き攣らせて、頬にある瞳を開いた。ニェンとニョンはその姿を見て私から離れて、ランダルはあーあと呟いた。恐怖で動けない私を、ルーサーは「君には、躾が必要なようだ」と言って、引きずるようにして地下室へ連れていった。
    脳内を掻き回された。ぐちゃぐちゃと音が聞こえるのに、痛みが少ない。ルーサーの指が頭の中をいじっては、私の口からは謝罪の言葉が発せられる。それでも、彼は止めなかった。
    「君の言葉は信用ができない。君を従順なペットにするためには、少し強引にでもわかってもらう必要がある」
    とめどない吐き気を引き寄せるその行為は、回数を重ねるごとにだんだんと私の思考を溶かしていった。ズルズルと頭から何かが出ていく感覚がして、とてもまずいことなのに、それすらどうでも良いと思えるほどの感覚が芽生え始めた。
    指を頭に沈められて、水分補給の水は中毒になるまで飲まされて、最後には身体を人間のそれとは違うモノに作り変えられる。ニェンとニョンの時はどうだったのだろう。あの二人のことだから、もしかしたら進んでこの行為を受け入れたのかもしれない。思考の底では抵抗していたものの、体は思うようには動かずに、あっというまに"完璧なペット"が完成してしまった。
    「ふむ……もう少しだね。きっと明日には、君は従順なペットになっているはずだ♡」
    涙と鼻水と涎でぐちゃぐちゃになった顔を撫でられながら、ぼーっと半分とろけた思考でルーサーの言葉の意味を考えた。
    従順なペットになる?ありえない。これは、ただの拷問だ。
    気づけば、地下室に入れられてから一週間がすぎていた。最後の日、ルーサーの指が抜けた時にやっと解放されると思うと同時に、この家からの脱出は不可能であると思った。これが洗脳なのか諦念なのか私には判断がつかないけれど、ルーサーが主人であるということを私は認めて、受け入れた。
    「ねぇ、セバスチャン。きっと私たち、もう普通には戻れないよ」
    見た目こそキャットマンとは違って普通の人間だったけれど、中身はもう人間ではない。セバスチャンは気づいていないだけで。
    「ランダル。セバスチャンを見つけたよ」
    扉を開けて、部屋の主人に告げた。嬉しそうにセバスチャンを迎え入れたランダルは、ご褒美と言って私にお菓子を渡してくれる。
    部屋を出ると、真っ直ぐにダイニングへ向かった。先ほど、ニョンがお茶を入れているのを見たから、きっとルーサーはティータイムを楽しんでいるはずだ。
    ダイニングには、思った通りルーサーとニョンがいた。ルーサーは私の姿を見ると、「セバスチャンは見つかったかい?」と聞いてくる。
    「はい。ランダルにちゃんと届けてきました。」
    「いい子だね♡さぁ、お前もティータイムに参加しなさい♡」
    「はい、ご主人様」
    空いていた席に座ると、ニョンが紅茶を入れたカップを目の前に置いてくれる。ありがとうと伝えて、口をつけた。ルーサーはにっこりと私たちを見ていて、この幸福な光景に満足しているようだった。

    私はもう、あの人の手を拒むことは出来ない。
    褒められて、躾けられて、幸福なのだ。
    地下室に閉じ込められたあの日から、脳からこぼれ落ちた感情の隙間に、主人への忠誠が傷を隠すように埋められている。
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