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    キラライ

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    キラライ

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    フォーチュンドール本編36

    フォーチュンドール5章8話幸、唯、雫の3人はカフェで女子会をして楽しんだ。しかし、幸の様子が何かいつもとは違うように唯は感じた。幸に調子が悪いのか聞くと、何でもないというが明らかに表情は険しかった。雫も唯に言われて幸の表情を見る。幸は二人の視線が鬱陶しいのか早歩きをして、2人の前を歩くようにした。唯が何かしたなら謝ると言い、幸に手を伸ばすと、幸はその手を振りほどき、唯にビンタをした。雫は動揺し、幸の腕をつかみ揺さぶると、幸は雫を突き飛ばす。唯が幸の名を呼ぶと、幸は我に返り、何が起きたのかわからず、頭を抱える。

    「幸さん?どうしたんですか?本当に幸さん?」
    「わからない…今私は何を?」

    「っていうことがあったんですよ。」

    唯と雫は昨日の幸の事を凛太郎に話した。凛太郎は幸が魔導書を読んでいるという話を聞いていたので、それは魔導書の副作用のようなものではないかという。実際に凛太郎も魔導書を読んだ時に常に空腹を覚えていたので、魔導書の有害性を2人に話した。雫はぎょっとして、幸の性格が治らなかったらと心配した。唯が凛太郎の魔導書の能力がなくなった時はどうしたかを聞くと、魔女たちに捕まっていろいろされたというのだ。そして、魔導書の能力を本に戻す魔女は今は眠っていると聞いているので、他に案はないだろうかと考えていると、そこに信楽が現れた。信楽にも幸の話をすると、ちょうどいい機会だと雫に魔女の集会場に行ってみることを提案する。しかし、凛太郎はあまり乗り気ではなく、また魔女たちに何かされると考えると恐怖でしかなかった。そのため、雫と信楽で魔女の集会場へ行くことになった。と言っても信楽は場所を案内しただけで、あとのことは雫1人に任せたのだった。一人ぼっちになった雫は戸惑った。これなら唯ちゃんも連れてきたら心強かったなぁと思うが、せめてこの場所を一通り覚えようと見て周っていた。どこがどういった場所か聞こうにも、知り合いの魔女がほかにいるわけでもなく、話しかけるのも難しいと思っているし、さらに言えば他の魔女たちに怪しい視線で睨まれているような気がして、怖くなってきた。そんなところに、博士のような帽子に袖の長い白衣、ぐるぐる眼鏡をかけた女性が話しかけてきた。

    「おやおや、魔女ネットワークに加入してない魔女がこんなところに何のようだい?」
    「あ…魔女ならここに来たらいいって…信楽さんに…案内されたのですが…置いてかれてしまって…」
    「なるほどね~、信楽は気まぐれ猫だからねぇ~、特に魔女に悪い印象や敵対する理由がないなら入っておいた方がいいかもね。自分が敵じゃないって証明になるからね。」
    「入らなかったらどうなるんですか?」
    「入っていない魔女は何か企んでいるんじゃないかって思われるよ。あたしみたいな研究とか多いと特にさ~。もともと悪い魔女をやっつけるための魔女狩りを作った魔女が作ったシステムだし。まぁ、その魔女狩りも巡り巡って誤解が広がって今の形だけどさ。」
    「魔女狩り…それより…何の研究を?」
    「魔女狩りの創始者は魔女さ。あたしは誰もが魔法を使えるような世界を作るために魔力の研究をしているよ。」
    「あなたも魔女なんですか?」
    「何をいまさら、あたしも魔女だよ。あんまりそう見られないようにしているけど、同族ならわかると思ったんだがね。」
    「あのぉ…魔導書について何かわかりますか?」
    「魔導書?あんまり詳しくはないけど何かあったのかい?」
    「読んだ友達がだんだん怖くなってきて…」
    「それは普通の人間かな?魔女以外が魔導書を読むと取りつかれることもあるからね。まぁ、精神力や魔力を鍛えれば抑え込める可能性はあるよ。」
    「本当ですか?」

    その魔女は肉体強化で魔力を増強させることができるというのだ。雫はドクターと呼ばれるその魔女に幸のことを話すと、予定が合えば近いうちに連れてきてほしいというのだ。取りつかれている以上、対策は早めに取りたいのだ。雫はドクターに感謝すると、感謝するにはまだ早いと言われる。ついでにドクターは魔女の集会場の道案内も雫にした。その際、他の魔女との会話で雫が信楽の言っていた新人の魔女であると紹介すると、いつの間にか雫を睨むような目は少なくなっていた。改めて善良な魔女ばかりだと聞く、魔女ネットワークについて加入しようかと考える雫であった。そして帰り際、雫は幸に連絡をした。魔女の集会場の事、魔力強化の事、明日にでも一緒に行こうと誘ったのである。一方の幸は、自分がどんどんおかしくなっていくことに恐怖を覚えていた。雫についていってどうにかなるのかはわからないが、何もしないよりましだろうと雫の案を飲む。人形達にもこの日一日でいろいろ迷惑してしまったし、グレーラにも黙って、みんなを置いていき魔女の集会場に向かおうと思った。
    次の日、雫は予定通り幸をドクターのもとへ連れてきた。ドクターはニヤリと笑った。

    「いやぁ、あたしの研究の実験体を連れてきてくれてありがとうね。」
    「じ、実験体!?」
    「おっと、言い方が悪かったね。魔力強化の話は本当だからね。まぁ、もしもの時のために空っぽになった魔導書は持っているかい?」
    「はい、これですね。」
    「うんうん。それじゃあ強化には数日かかるかもしれないけどついてきてくれ。」

    ドクターが幸を連れて行く、雫は一緒にいるべきかドクターに聞くと、数日かかるかもしれないため、時間をとらせても悪いからと断った。雫は後のことはドクターに任せると、幸が強化を終えて戻ってきたときに幸に手間をかけさせないように、魔法の練習をしようと、将信のいる学園へ向かった。学園で将信に幸のここ数日の話をすると、将信は幸の事を心配した。そこに信楽が現れて、幸が今どうしているかを問う。雫がドクターの話をすると。信楽はため息をつき話す。

    「あいつか…悪い奴ではないのだが…」
    「悪い奴じゃないが何だというんだ?」
    「あいつの実験はあまり成功しないんだ。もしもの事の方が起こる可能性が高い。」

    雫はぎょっとした。将信も信楽からドクターの話を聞き、雫に案内されながら魔所の集会場へ向かう。そして集会場に着くと、たまたま魔女たちからマナタンクの補充を頼んでいたクランと一緒に雨と零子もいた。零子が将信と雫に挨拶すると、幸はいないのか問いかける。そして今、緊急事態だと零子に伝えると、クランと雨も巻き込んで、幸のいる場所に向かった。ドクターは幸を椅子に座らせて、今日かの実験をしていた。みんなでその現場に乗り込み、信楽がドクターに言う。

    「お前また実験をしているな。今すぐ中断するんだ。」
    「いやぁ~、もうちょっとで上手くいくところだから~。今回は成功しそうなんだよ~。」

    ドクターは呑気に答えて、幸の方を見る。幸からはオーラが出ており、魔力の高まりを感じでいるようだが、そのオーラは徐々に大きくなり、そして違和感を覚えたドクターは冷や汗をかく。

    「あ…あれ?なんかあたしの魔力が吸い取られて…」

    オーラが幸の頭上で広がり幸から離れる、そして大きなクジラの形へと変化していくと、それは生命体となり、巨大な魔物になっていくのであった。ドクターは驚き、その場から逃げていく、そのあとを逃がしてなるものかと信楽が追いかけていてしまった。幸は椅子でぐったりしている。そこに将信と雫が駆け寄ると、幸は完全に気絶していた。クランたちはそれをよそに魔物を見た。ひとまずこいつを倒さなければ危ない…。最悪の状況が5人を襲うのであった。

    つづく
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    キラライ

    TRAININGフォーチュンドール本編37
    フォーチュンドール5章9話ドクターが幸の魔力強化をしようとしたが、魔導書の能力がドクターの魔力を吸い取り、巨大なクジラの魔物と化した。ドクターは逃げ出し、幸も気絶している状況で将信たちはクジラの魔物と戦うことになった。将信は幸を守るため、ひとまず地属性魔法で幸の周りを囲う。将信は室内戦があまり得意ではない旨をクランたちに伝えるとクランはここは任せてくれといい、光の弾を宙に浮かせ、魔物の周りで爆発させた。しかし、その爆発をの魔物は大きな口を開けて吸い込み、その後に咆哮をした。クランたちは何とか持ちこたえる。零子が後ろにまわり剣を投げ、雨は念力で宙に浮き、魔物の上に乗っかり拳で思いっきり殴りかかる。すると、魔物は大きく尻尾を動かし、零子は上手くよける。そしてクジラ型の魔物であるために潮吹き攻撃をする。ちょうど雨のいる足元から光が当たると虹色になる白濁とした液体が吹き出し、雨に直撃する。雨に纏わりつくその液体は次第に凝固していき、雨は上手く身動きが取れなくなり、下まで落ちてしまう。それをクランがキャッチしに行き、ダメージを抑えることができた。零子も雨を心配し、そちらに行く。
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    キラライ

    TRAININGフォーチュンドール本編36
    フォーチュンドール5章8話幸、唯、雫の3人はカフェで女子会をして楽しんだ。しかし、幸の様子が何かいつもとは違うように唯は感じた。幸に調子が悪いのか聞くと、何でもないというが明らかに表情は険しかった。雫も唯に言われて幸の表情を見る。幸は二人の視線が鬱陶しいのか早歩きをして、2人の前を歩くようにした。唯が何かしたなら謝ると言い、幸に手を伸ばすと、幸はその手を振りほどき、唯にビンタをした。雫は動揺し、幸の腕をつかみ揺さぶると、幸は雫を突き飛ばす。唯が幸の名を呼ぶと、幸は我に返り、何が起きたのかわからず、頭を抱える。

    「幸さん?どうしたんですか?本当に幸さん?」
    「わからない…今私は何を?」

    「っていうことがあったんですよ。」

    唯と雫は昨日の幸の事を凛太郎に話した。凛太郎は幸が魔導書を読んでいるという話を聞いていたので、それは魔導書の副作用のようなものではないかという。実際に凛太郎も魔導書を読んだ時に常に空腹を覚えていたので、魔導書の有害性を2人に話した。雫はぎょっとして、幸の性格が治らなかったらと心配した。唯が凛太郎の魔導書の能力がなくなった時はどうしたかを聞くと、魔女たちに捕まっていろいろされたというのだ。そして、魔導書の能力を本に戻す魔女は今は眠っていると聞いているので、他に案はないだろうかと考えていると、そこに信楽が現れた。信楽にも幸の話をすると、ちょうどいい機会だと雫に魔女の集会場に行ってみることを提案する。しかし、凛太郎はあまり乗り気ではなく、また魔女たちに何かされると考えると恐怖でしかなかった。そのため、雫と信楽で魔女の集会場へ行くことになった。と言っても信楽は場所を案内しただけで、あとのことは雫1人に任せたのだった。一人ぼっちになった雫は戸惑った。これなら唯ちゃんも連れてきたら心強かったなぁと思うが、せめてこの場所を一通り覚えようと見て周っていた。どこがどういった場所か聞こうにも、知り合いの魔女がほかにいるわけでもなく、話しかけるのも難しいと思っているし、さらに言えば他の魔女たちに怪しい視線で睨まれているような気がして、怖くなってきた。そんなところに、博士のような帽子に袖の長い白衣、ぐるぐる眼鏡をかけた女性が話しかけてきた。
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