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    キラライ

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    キラライ

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    フォーチュンドール本編39

    フォーチュンドール5章11話科学部の研究所、その奥にマナイーターの魔導書があった。凛太郎は動揺した。なぜここにマナイーターの魔導書が?凛太郎は導かれるように魔導書に近付き手を伸ばしていく。

    「何しているんですか!?凛太郎さん!」

    声が聞こえて凛太郎は振り向いた。唯は凛太郎をまっすぐ見つめ、凛太郎の手を取った。

    「早く逃げましょう、そんな本きっと危ないです!」

    唯に手を引かれ凛太郎はそのまま振り向くことなく、唯とともにその場を離れていった。

    夏希とクランは翔織との戦いに苦戦していた。完全に翔織のフィールドであるため、うまく兵器を利用して2人を躱していく。そこに幸達、そして遅れて唯と凛太郎がその部屋にやってくると、翔織は舌打ちをした。そして何かがおかしいことに気が付いた翔織は焦りを見せた。

    「どうなっている!粒体マナがなくなっているじゃないか!」
    「おやおや~?使い切ったんですか?」
    「違う、勝手に使われている?一体だれが…まさか!?」

    翔織はキョロキョロと周りにいる人が何か持っていないか確認する。夏希は今のうちにとどめを刺そうとするが、その瞬間、天井の方から白い蛇が現れ、翔織の頭の方に落ちていく。その白い蛇は頭に三日月ついていて、真っ赤な目をしていた。翔織はかなり驚き、白い蛇を振り払い、帽子を投げた。すると帽子が這いずるように動き、出口の方へ向かっていく。それを素早い動きで白い蛇が足止めし、その帽子に噛みついた。帽子のようなそのなにかは暴れるように動くが次第に動きはなくなり、白い蛇が顔をあげると翔織を睨んだ。翔織は頭を抱え、うずくまり、意味不明なことを口ずさむ。

    「ミカヅキ様…これは、これは違うんです!コウカツ様が…あ、いや…悪魔が!その帽子の悪魔が!」

    白い蛇がゆっくり翔織に近づくと、翔織は目を見開き、大量の汗をかいている。そして、咄嗟に立ち上がるが、足を滑らせ、右腕を下にして倒れこみ、急いでまた立ち上がり、出口の方へ逃げて行った。倒れた際に、操作盤が腕から離れてしまった事に気付くこともないまま。夏希が翔織を追いかけようとすると、研究所内で爆発音がし、建物が揺れた。翔織が先程まで立っていたであろう場所の床に亀裂が入り、大きな蝙蝠型の魔物が下から突きあがってきた。

    「マナイーター…」

    凛太郎はぼそっと呟いた。凛太郎が魔導書から逃げ出したときから、魔導書が研究所内になるほぼすべての粒体マナを食らいつくし暴走、それが魔物の形になって現れたのだ。夏希は周囲の状態から、将信にみんなを避難させるように言う。

    「将信、魔力はもうないよね?魔力が残ってなさそうな人たちを避難させて。」
    「いや、俺はまだ戦える。尼波、譲葉、頼んでいいか。」
    「はい。」
    「僕も一緒に戦います。これは僕の戦いです。」

    幸と唯と雫は自分たちより前に研究所に閉じ込められた人たちを避難させ、夏希と将信、クラン達、そして凛太郎は、蝙蝠型の魔物と戦うこととなった。凛太郎は左目を緑色に変えて魔物を睨んだ。雨と零子が魔物の横にまわり、将信とクランは夏希の護衛をする形になる。夏希はモルターバレットの入ったライフルに切り替え、構える。凛太郎は最前線に立ち、床に手を向け、残りの魔力で魔法を使う。

    「よくもやってくれたね!今度は僕の番だよ!」

    凛太郎が魔法を出すと、木の根っこが出て、どんどん広がっていくそして、根っこが魔物に近付くと、上に広がり、蝙蝠の羽に絡みつく、そして大きな木のとなると、その木が魔物の魔力を奪っていく。動きの止まった魔物に零子が剣を投げ、雨が念力でその辺の壊れた機械を魔物に当てる。魔物も超音波で反撃をする。凛太郎の出した木が吸い取った魔力は木の枝から放出され、将信とクランの方に流れていき、それを利用して将信とクランも魔法を使っていく。夏希も動きが止まった相手なら、狙いやすく、確実に弾を当てていく。魔物は凛太郎を睨むが凛太郎はそれに臆することなく、木の枝を延ばしていき、魔物頭部に突き刺し、トドメを刺した。

    逃げ出した翔織、安定しない走り方をし、転んでしまった。そこに2人の影が見えた。翔織が頭をあげると、そこには誉と鶴花の姿があった。誉は翔織を睨み、パートナーの大蛇を召喚する。

    「残念だが神様の命で、裁きを下すことにした。」
    「待ってくれ!俺はただ…」
    「言い訳なんて不要だ。」
    「嫌だ!やめてくれ!」

    誉が手を伸ばすと、蛇のうろこのような黒い模様が手から流れ出し、翔織を取り囲んでいく…。翔織の断末魔が聞こえた。

    クランと凛太郎がハイタッチをすると、幸達も将信達と合流する。夏希が翔織のおいていった操作盤を分解すると、中に入っている人工マナイーターを発見し、光線ライフルに付けることにした。零子が幸に話しかけ、ミラルージュが他の人形達に会いたがっていると伝えると、幸は人形達を出した。そこに魔女たちが現れ、この件はどういうことか、疑いの目をかけられた。雫が説明しようにも何から話せばいいのかわからず戸惑う。夏希が魔女たちに話そうとすると、誉と鶴花もその研究所に来るのだった。

    「なんだぁ?騒がしいな。」
    「あ、あの時の!」
    「おう、テレポート使いのお前か。」
    「翔織さん知りません?逃げて行ってこの状態どうにかしたいんですよ。」
    「…知らんな。俺はここに忘れ物を取りに来ただけで。」

    誉が中に入り、何かを探す。鶴花はたまたま零子と幸が目に入り、人形のことについて話しかける。幸はいつか見た美人が話しかけてきたため緊張するが、零子が幸の人形は動くことの説明をすると、鶴花は蛇壺からグレーラを取り出した。幸はとても驚き、最近姿を見なかったためすごく心配していた。

    「グレーラ、私の事嫌いになったかと…」
    「わあああああん、幸会いたかったよぉ…蛇はもうこりごりだ…」
    「拾ってくれて、あ、ありがとうございます。」
    「いえいえ、むしろ興味本位で持っていっちゃったのこっちだし、むしろごめんね~。」

    幸と鶴花は話を弾ませる。将信と夏希は魔女を説得する。誉が白い蛇を手の上に乗せ、振り返るとクランと凛太郎がいて、目が合うと2人は硬直する。誉は周囲を見て夜がいないことを確認すると2人を見て見ぬふりをし、鶴花に帰ることを伝え、帰っていく。魔女たちはなかなか理解してくれず、今回の件に関係したメンバーを帰そうとしなかったが、日が暮れてきた頃で、そこに澪がやってきた。

    「雫、ここにいたのか。」
    「お兄ちゃん…」
    「先輩!助けてくださいよぉ、私たち被害者なのにここに残されてるんだよぉ。」

    雫を迎えに来た澪は何のことかわからず、研究所を鏡越しに見る。澪が見えた過去を魔女たちに説明する。この研究所で何が行われていて、夏希たちが何をされたのか、相手が納得するまで、鏡を見返しては、細かいところまで説明した。しかし、数人の魔女は雫が魔女ネットワークに加入してないために疑いの目を向けているようだった。澪が魔女ネットワークについて聞いている途中、雫は何も悪いことをしていないとこの疑いを晴らすために魔女ネットワークに加入することにしたのだ。こうしてこの一件は解決したのだった。

    その夜、雫は澪に魔法が上手く使えるようになったことを話した。澪も気功が使えるようになり、雫を守ってあげるという。いつか一人前になるからと雫が言うと澪は寂しい顔をするが、成長を感じると、雫の頭をなでた。そして澪は雫に武器を使ってみるのはどうかと提案した。その件について雫は他の魔女とも相談したいと言い、その日は寝ることにした。澪も眠りにつこうと部屋に行く、考えたのは雫の事であるが、たまに真昼の事も思い出した。真昼も雫の事を気に入っていたなぁ。いつの間にか澪は眠りについていた。

    フォーチュンドール5章 終
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    キラライ

    MEMOハロウィンネタ2024
    幸と雫のハロウィンSS10月31日の昼間、幸の家では人形達が玄関の装飾やジャックオランタン作りをしていた。一方で幸は唯と雫を誘ってカップケーキを作っていた。

    「幸さん、材料はこれで揃いました?」
    「そうね、唯と雫はこの作り方をみて、カップケーキを作ってね。フレーバーや飾りはこっちで切っておくから。」
    「わかり…ました…、できるかなぁ…」
    「少しずつやっていきましょう。唯もカップケーキなら包丁を使わないから安全にできると思うし。」
    「でも料理なんてあんまりしたことないからなぁ。」
    「落ち着いてやればできるものよ。」

    幸は唯と雫に指示を出しながら、色とりどりのかわいいカップケーキを作っていた。幸が珍しく張り切っているのは、先日、将信がハロウィンの日に地元の仲のいい子供たちを連れて知り合いの家を何件か周るというので、幸もなにかのインスピレーションになるかと思い、将信に家に来てもいいと言ったのだ。子供たちに配るためのお菓子として、カップケーキを作ろうと思い、たくさん作るために二人を誘ったのだ。結果的に料理の経験や、楽しい思い出になっているので、すでにとても楽しめている。不安と言えば、いきなりきた子供たちにお菓子をあげたところで、いたずらされたりたくさん話すことになって緊張したりないかと言ったところだが、そのときはそのときで将信にフォローしてもらうことにしよう。
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