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    キラライ

    自創作の過去絵まとめたり
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    メモ→小ネタ、短編小説
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    キラライ

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    一話完結の短編創作:night

    night~祭りの前夜の選択~金髪の長いポニーテールを揺らし、窓を開け、外を眺める女性。服装は黒いコートに橙色のシャツ、銃弾型のペンダント、そしてズボンはジーンズで黒いヒール付きの靴を履いていた。彼女の名前はラスナ、職業はいわゆる何でも屋だ。個人経営で自室の机にはノートパソコンが置かれていた。部屋は広く、壁側に机、引き出しのついた本棚、反対側の壁にそってベッドが置かれていた。

    「さて、ひと仕事しますか。」

    ラスナがふぅっと一息つき、窓を閉める。そして机の上に開いた状態で置かれているノートパソコンの画面にはメールボックスの受信画面が映っていた。ラスナがその受信したメールを開く。内容は行方不明の少女の捜索、ラスナの住む町の近くの村の村長からの依頼であった。ラスナはメールに返信をすると、支度をし、車でその村へ向かった。

    ラスナがその村の役場に着くと、村長や他の村人たちも歓迎した。さっそく、行方不明の少女の見た目と名前を聞き出そうとするラスナに村長たちは村の伝統について教えた。

    この村では100年に一度、神様が選んだ少女を贄として神様のもとへ送り届けることで、その先100年、神様が災いから村を守ってくれるという言い伝えがあり、1週間後に少女を神様のもとへ送り届ける祭りがおこなわれるというのだ。

    その神様に選ばれた少女がこの3日間で行方不明になっているというのだ。その子はまだ5歳なので1人で村から出ることはないだろうと言われているため、村中を探し回っているというのだ。

    ラスナがその少女の名前を聞く、名前はイヴだと村長は言う。ラスナの知り合いにもそんな前の子はいないはずであったが、どこか聞き覚えるある名前だった。昔読んだ物語にいたのだろうか?そんなことを思いながらイヴという少女を探し回った。ある日は村の近くの山、ある日は村中の施設、そしてある日はイヴの両親であるという人と話すことができた。

    イヴが神様に選ばれたと知った時は両親も理解しがたかったが、生まれ育ったこの村を離れるわけにもいかず、イヴを外に連れ出すこともあまりなかったようだ。ただ、数日前に川の近くに遊びに行った際に、どこかへ居なくなってしまったのだという。


    そうこうしているうちに4日ほど経っていた。村の祭りまであと3日、そんなある日だ。村長がラスナに一人の少女を紹介した。灰色の髪を2本に束ねて、赤いヘアゴムと同じ色のリボンを首元に付けている。白と黒のワンピースを着たその少女はイヴと名乗っていた。ラスナがその少女が探していた子かと聞くと、この子は身寄りのない代替えの子だといい、イヴと名乗らせて、祭りの日に神様のもとへ送るというのだ。イヴがきょとんとしてラスナを見つめと、村長はラスナに村の祭りまでイヴがいなくならないように見張りをするように依頼内容を変更した。イヴはラスナの手を取り、遊ぼうと言うと、ラスナもイヴの気持ちを無下にできず、一緒に遊び始めた。

    そして祭りの一日前になった。ラスナはイヴに対し疑問を持ち話しかけた。

    「イヴの名乗るように言われたの?」

    イヴは分かっていないような顔をする。

    「イヴはイヴだよ?」

    完全にイヴという少女になりきっているのだろうか?本名があるなら聞き出そうとするが答えは出ない。そんな時、イヴは外に出ようとした。どこに行きたいのか尋ねると川を見に行きたいという。そういえば、本当のイヴが居なくなったのも川の近くかと、何か情報があればいいと思い、イヴを川に連れて行った。イヴは大はしゃぎで、川の近くを歩き、川の始まりはどこだろうと上流の方へ上っていく、ラスナがイヴに危険がないように見張っているとイヴはとある場所を指さした。

    「ねぇ、あそこ行ってみようよ!」

    川の上流の方から見える場所に、山に穴が開いているところが見えた。洞窟になっているのだろうか?そこに本当のイヴがいるとするなら?そう思い、ラスナはイヴとその場所へ向かった。中は空洞になっており、いくらか苔が生えていて幻想的にも見えるその場所にラスナは見覚えがあった。


    ラスナは孤児であった。幼少期、気が付くと見知らぬ人たちでいっぱいで、記憶も曖昧であったラスナは、子供のいない家庭に引き取られ、15年過ごし、今に至る。
    しかし、その前に確かにここにラスナは来ていた。その時何が起きたのか、脳が思い出すことを拒む。しかし、一つ確かなことがあった。

    イヴ…そう私の本名はイヴ…本物のイヴは私なんだ…

    ラスナは全てを知った。そして隣にいるイヴを見るときょとんとした顔でラスナを心配していた。ラスナはここには何も無かったねと言い、洞窟を出ると日が暮れていた。

    その日の夜、ラスナは目を覚まし、考え事をする。本物のイヴとして自分が贄になればこの村、そしてここにいるイヴも救われるだろうと。しかし自分がイヴであるという証拠はない、以上村の人たちは理解してくれるのだろうか?それともここにいるイヴとともに逃げるか?そうすると贄がいなくなったことで村は大混乱するか?そもそも本物ではない贄で神様は満足するのだろうか?それともこんな怪しい村、どうなろうとも私だけ逃げるべきか?もう時間がない、明日には祭りだ!行動をとれ私!


    選択肢(まずは次の選択肢でえらんだところを読んでね)
    1、 自分だけ逃げる
    2、 自分が贄となる
    3、 イヴとともに逃げる






    選択肢1自分だけ逃げる

    なぜ私が神様に選ばれたのか、一つの村にために自分が犠牲になるものおかしな話である。それに本当に代替わりになるなら、誰でもいいのだろう。イヴには悪いが私は死にたくない。それに、贄がいなくなったとなれば村は混乱するだろうから私一人で逃げることにする。ラスナはイヴが眠っている間に来るまでこの村を抜け出した。

    それから数日、ラスナは再びこの村を訪れた。どうやら山崩れが発生し村が壊滅状態になったので、その復旧作業のためのボランティアで来たのだ。まさか本当に災いが起こるとは。イヴもこの土砂の下にいるのか、はたまた神様のもとへ連れて行かれたのか、ラスナには知る由もなかった。

    ノーマルエンド 伝承通りの災い






    選択肢2自分が贄となる

    やはり本来は私が犠牲になるべきだ。こんな幼い子を犠牲になんてできない。しかし、村の人をどう説得する?祭りは明日なんだ…。そうだ!私が先に神様のもとへ向かおう。ラスナはイヴが眠っている間に外へ出て行った。

    次の日、祭りは無事行われ、イヴは神様のいる場所へと連れて行かれた。ここから先はイヴ1人で神様のもとまで歩いていきなさいと言われ、イヴはそこへ歩いていくと。その先にラスナがいた。

    「イヴ、信じがたいかもしれないが、私が代わりに神様にあってくるよ。だから、村の人たちに見つからないようにここから逃げて。」

    そういってラスナがイヴの肩に手をかけると、イヴは笑った。

    「イヴは全部知ってたよ。イヴじゃ贄にはならないことも、ラスナが本当のイヴだってことも。だってイヴは神様だもん。ねぇラスナ、一つになろう!」

    ラスナは目を見開いた。すべては仕組まれていたというのか。イヴの体はどろりとした液体となり、その姿を変えていった。ラスナより大きなスライム状の何かになるとラスナは逃げるすべを失い、その液体に覆いつくされた。

    これでずーっと一緒だよ。次の100年までまたこの村を見守り続けよう。

    トゥルーエンド 本当のイヴ







    選択肢3イヴとともに逃げる

    私は死にたくない。しかし、イヴだけを犠牲にすることもできない。村の人たちには悪いがイヴを誘拐させてもらう。身寄りのない子供でしかも贄にするというのなら、いなくなっても問題はないだろう。災いが起きても知ったことか、こんな幼い子供を犠牲にするしきたりが間違っている。ラスナはイヴを起こさないように持ち上げ、車に乗せ、この村を抜け出した。

    翌朝、イヴが目を覚ますと見知らぬ部屋にいた。先に起きていたラスナがおはようとあいさつをする。ラスナの住んでいる家のラスナの部屋であることをイヴに伝えると、イヴは祭りの事はいいのかと尋ねた。ラスナはなにも気にしていなかった。ラスナがその部屋を出ると、イヴもあとをついていった。隣の部屋はリビングになっていて、テレビやソファがあった。そして、キッチンの方から黒いはねた髪のだらしないように見える男がラスナに話しかけた。

    「いつの間に帰ってきていたのか?」
    「ごめんごめん、いろいろあって昨日の夜にこっそり帰ってきてた。」
    「そう、今から朝ごはん作るから待ってろ。」
    「ごめんね~今日も仕事あるのにやってもらって。」

    イヴはぎょっとしてラスナに誰かと聞くと、ラスナは自分の彼氏だという。イヴがその言葉を聞くと、ラスナの足にしがみついて彼氏を睨んだ。

    「ラスナはイヴのだもん!」
    「あぁ?そのちびっこはなんだ?」

    彼氏がラスナにイヴの事を聞くと、これから養子としてこの家に住まわせるというのだ。彼氏もイヴも驚き、ラスナは軽快に笑った。3人の新しい生活が始まろうとしていたのである。

    ハッピーエンド? ラスナとイヴと時々カレシ






    おまけ

    ネタばらしキャラ紹介

    ラスナ
    何でも屋のお姉さん。
    本名はイヴであるが5歳の時に何らかの事象で15年前にタイムスリップした。
    それ以前の記憶が曖昧である。

    イヴ
    身寄りのない子供、イヴと名乗っている。
    本当は不定形の神様の一部であり分体。
    ラスナを贄とするためにおびき寄せたり、村人を一部操っていたりした。

    カレシ
    選択肢3でのみで出てくるラスナの彼氏である。冴えない。
    クレットという名前はあるがあんまり(作者から)呼ばれない。


    あとがき
    ここまで見ていただきありがとうございます。
    ラスナは正義感のあるキャラなので正規ルートとなると選択肢2だと思っています。
    しかし、ラスナに生きたいという理由をつけるとしたらなんだろうと考えたときに例えば彼氏がいるとか?と思いこういう分岐になりました。
    もともとはおねロリ的なものを書こうと思っていたのですがどうやら私は恋愛系が書けないようです…。どうしてこうなった!
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    キラライ

    MEMOハロウィンネタ2024
    幸と雫のハロウィンSS10月31日の昼間、幸の家では人形達が玄関の装飾やジャックオランタン作りをしていた。一方で幸は唯と雫を誘ってカップケーキを作っていた。

    「幸さん、材料はこれで揃いました?」
    「そうね、唯と雫はこの作り方をみて、カップケーキを作ってね。フレーバーや飾りはこっちで切っておくから。」
    「わかり…ました…、できるかなぁ…」
    「少しずつやっていきましょう。唯もカップケーキなら包丁を使わないから安全にできると思うし。」
    「でも料理なんてあんまりしたことないからなぁ。」
    「落ち着いてやればできるものよ。」

    幸は唯と雫に指示を出しながら、色とりどりのかわいいカップケーキを作っていた。幸が珍しく張り切っているのは、先日、将信がハロウィンの日に地元の仲のいい子供たちを連れて知り合いの家を何件か周るというので、幸もなにかのインスピレーションになるかと思い、将信に家に来てもいいと言ったのだ。子供たちに配るためのお菓子として、カップケーキを作ろうと思い、たくさん作るために二人を誘ったのだ。結果的に料理の経験や、楽しい思い出になっているので、すでにとても楽しめている。不安と言えば、いきなりきた子供たちにお菓子をあげたところで、いたずらされたりたくさん話すことになって緊張したりないかと言ったところだが、そのときはそのときで将信にフォローしてもらうことにしよう。
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