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    キラライ

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    キラライ

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    フォーチュンドール本編50

    フォーチュンドール7章5話幸と将信、雨と零子は地図に記された場所の近くまで来ていた。そこで一人の女性に声をかけられた。その声の主は夏希であり、澪と雫も一緒であった。

    「おー、将信も来たか!来なかったら本体は澪先輩に持たせようと思ったけど~。」
    「まぁ、あるとも限らないが、そっちの双子はなんかの手伝い?」
    「人形の回収がまだで、さらにここに敵の親玉がいるようで、先に来た仲間が捕まってるかもしれん。」
    「親玉?ここには霊魂の魔女がいると聞いたが。」
    「その霊魂の魔女が今回の件の黒幕らしい。」

    将信と澪の会話の間に入ったのは、少し遅れてきた瀬津だった。瀬津は漣と朝と夜と一緒だった。

    時間は少し前、瀬津たちは昨日見た地図の場所へ行こうとしていたところ、天使のような白い羽根の何かが落ちていることに気が付いた。それはぐったりとしており、朝がそれを注視すると、死神のようなあの悪魔であった。瀬津は悪魔に剣を見せ、今までの行動の理由を聞き出そうとした。

    「おい、答えろ…」
    「魔女…あの霊魂の魔女が…私に憑依して…」
    「霊魂の魔女の目的は?」
    「元の神の所に帰ることだ…そのために体を取り戻し…魔女の課題を達成する…」
    「魔女の課題とはなんだ?」
    「さぁ、わからない…」
    「そうか、それじゃあ、用済みだな。」

    瀬津は容赦なく悪魔に剣を突き刺した。漣は、今日は天音を連れてこなくてよかったとホッとした。そして情報を得たところで幸達と合流したのである。霊魂の魔女がその場所にいるのなら、悪魔の事も関与していたために瀬津も討伐対象として見ている。メンバーが集まったところで、霊魂の魔女がいる場所へ向うと、予想通りアリサが足止めしていた。アリサが魔物を召喚すると幸と将信と零子がここは対応すると言い、他のメンバーを先に行かせた。心配になった漣も残り、魔物と対峙した。そんな中、雨はクランを発見する。クランは結晶に包まれており、雨は動揺して、結晶を殴り続けた。最終的にひびが入ったところで指が痛くなり、念力で高く持ち上げ、自らも宙に浮き思いっきり叩き落として結晶を壊した。クランがもうちょっと丁重に扱ってと言うが雨にはそんな余裕はなかった。そうこうしているうちにアリサを回収した幸達と合流し、霊魂の魔女の所まで向かった。その地面には模様のような黒い線が広がっており、その範囲を覆うように結界のドームのように薄ぐらい闇が広がっていた。その手前には誉と鶴花がいた。

    「あなたたちも霊魂の魔女を倒しに?」
    「あぁ、そうだな。」
    「霊魂の魔女は神の所に帰るためって言ってたけど…それと蛇に関係が?」
    「何のことだ?まぁ、あいつの目的は蛇神様の召喚であるが、今はその時ではない。強引な召喚をしようとしているから止めるだけだ。」
    「なるほど…」
    「!?」

    幸にとっては聞き覚えのある声がした。突如としてその女性は現れた。猫耳で二本にくくった黒い髪、褐色肌をしていて尻尾も生えているその女性は将信の本体を抱えており、それを幸の前に投げ捨てた。

    「へっぽこ魔導士、お前の体だな。どうやら必要なかったらしい。」
    「はぁ?」

    将信は本体の状態を確認し魂を移した。幸はその女性が信楽であることを確信し、霊魂の魔女の事について聞いた。実体を持たない霊魂状態の魔女であったが、体を取り戻したようで、吸血鬼である生命の魔女の仮説によると、魔女には課題があり、それを達成すると何かが起こるというのだ。そして、信楽と生命の魔女、もう一人停止の魔女は今それを見届けようとしているところであったが、神の召喚までしようとしているなら話は別だ。しかも強引な神の召喚により神の怒りを買った場合、真っ先に狙われるのは魔女である。そして、それでも気が済まなかったら次は能力者だって狙われる可能性がある。

    「面倒なことになったな。あの魔女を倒してくれ。」

    薄暗い闇の中に目を向けると、そこには無数の蛇の影とその中に赤く光る眼の女性の影があった。瀬津と朝、澪と夜がその闇の中に入っていくと無数の蛇が4人を襲い、瀬津と朝は何とか蛇を斬り、前へと進んでいくが、澪と夜は闇から出て体制を整えた。誉はため息をついた。

    「よくまぁ、一族でもないのにアレに飛び込めるな。毒蛇の可能性が十分あるぞ。」
    「一族だったら効かねえってのか?」
    「あーそうだな。お前は死ね。」
    「んだと!お前がさっさと突っ込んで来いよ!」

    誉と夜が喧嘩寸前であるが、澪がそれを止める。夏希がその間にライフルで霊魂の魔女を撃つがその弾は届かない。無数の蛇にはすべて実体があり、動物反応を示すようだ。夏希は武器を光子砲に切り替えるが魔力が足りていなかった。そのころ瀬津は朝と共に無数の蛇を倒しているが、きりがなく、朝も悪魔化してみるが一向に霊魂の魔女まで到達しない。そうこうしているうちに毒性が強くなってきたのか体がもたなくなっている。瀬津が本気を出し、魔力と気功の両方を併せ持った斬撃を繰り出し、霊魂の魔女にぶつけると、霊魂の魔女に効いたようで、霊魂の魔女は反撃し、瀬津を蛇の海に沈めた。その隙を誉は見逃さず、銃を乱射し、呪いの大蛇に霊魂の魔女を噛みつかせた。しかし、呪いはすぐに進行するものでもなく、霊魂の魔女は耐えて、誉にも攻撃を加える。朝が一度引き返し、元の姿に戻ると、夜が駆け寄り、朝を心配した。漣は解毒剤を持っていないか全員に聞いたところ、鶴花が持っているようで、漣が鶴花から解毒剤をもらい朝に与えた。呪いの大蛇が、強い魔力を当てれば呪いが進行するだろうと誉にヒントを与えると、誉は夏希に向かって炎魔法で球作り投げた。夏希は翔織が作った人工マナイーターでそれを受け止め、粒体マナに変換し、光子砲で霊魂の魔女を撃つと、雫も魔法ペンで渦を描き、風魔法を当て始めた。幸も人形達の魔力を集めて、鯆を倒した時と同じ大魔法を撃つ準備をした。攻撃が来るたびに霊魂の魔女は蛇を出し、それで相手を攻撃するが、将信が壁を作り、蛇を近づけさせないようにし、霊魂の魔女に隙が出来たところで、幸の魔法が解き放たれた。その魔法は霊魂の魔女にあたり、呪いが進行、真っ黒な死体となり、霊魂の魔女は倒れたのである。信楽は猫の姿になり、霊魂の魔女の死体に近づく。ピクリとも動かない。地面の模様もなくなり、闇も晴れていく。神の召喚も阻止されたのだ。

    「この死体は俺が持っていく。」

    誉がそういうと、信楽はその理由を問う。誉は一族に彼女を返すためだと言い、死体を持て鶴花と共に去っていく。幸の人形と将信の本体を取り戻し、元凶を絶ったところでこの件は一件落着となったのだ。

    フォーチュンドール7章 終
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    キラライ

    MEMOハロウィンネタ2024
    幸と雫のハロウィンSS10月31日の昼間、幸の家では人形達が玄関の装飾やジャックオランタン作りをしていた。一方で幸は唯と雫を誘ってカップケーキを作っていた。

    「幸さん、材料はこれで揃いました?」
    「そうね、唯と雫はこの作り方をみて、カップケーキを作ってね。フレーバーや飾りはこっちで切っておくから。」
    「わかり…ました…、できるかなぁ…」
    「少しずつやっていきましょう。唯もカップケーキなら包丁を使わないから安全にできると思うし。」
    「でも料理なんてあんまりしたことないからなぁ。」
    「落ち着いてやればできるものよ。」

    幸は唯と雫に指示を出しながら、色とりどりのかわいいカップケーキを作っていた。幸が珍しく張り切っているのは、先日、将信がハロウィンの日に地元の仲のいい子供たちを連れて知り合いの家を何件か周るというので、幸もなにかのインスピレーションになるかと思い、将信に家に来てもいいと言ったのだ。子供たちに配るためのお菓子として、カップケーキを作ろうと思い、たくさん作るために二人を誘ったのだ。結果的に料理の経験や、楽しい思い出になっているので、すでにとても楽しめている。不安と言えば、いきなりきた子供たちにお菓子をあげたところで、いたずらされたりたくさん話すことになって緊張したりないかと言ったところだが、そのときはそのときで将信にフォローしてもらうことにしよう。
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