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    キラライ

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    キラライ

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    フォーチュンドール本編7

    フォーチュンドール1章7話夏も後半、幸は唯たちからお祭りに誘われていた。楽しみ半分不安半分の状態である、というのも幸は祭りに行くことは初めてで、今まで絵本の中の世界としか思っていたかったのである。人混みは大丈夫か?どんな服を着ていこうか?と迷っていた。お祭りなのでやはり浴衣を買おうかな?それともその日のためだけの衣装はあまり買わないほうがいいのか、そうこう考えているうちにリレットが幸に話しかける。

    「幸、何を迷っているのです?」
    「リレット、カーマインやミウの服はできたの?」
    「もちろんなのです。二人とも動きやすい服で気に入ってくれたのです。」
    「それは良かった。私は明日お祭りに行くんだけど…どんな衣装で行くべきか迷っていてね、お祭りに最適な浴衣っていう衣装は持ってないからこの日のためだけに買っておこうか…?」
    「浴衣…のです?」
    「ほら、こんな感じの和服。」

    幸はスマホで浴衣の画像を出し。リレットに見せる。リレットは見慣れない服に目を輝かせた。

    「幸、挑戦したらいいのです!普段着ない服も来てみると何か気分も変わるかもしれないのですし、これからの作品のインスピレーションにもなるのです。」
    「なるほど、では買いに行こう。」
    「ついていくのです!選ぶの手伝うのです。」

    幸はカバンにリレットを入れて服屋さんへ出かける、季節の品というのもあり、浴衣がたくさん並んでいた。赤色や黄土色、紺色などの色や模様も豊富で幸とリレットは目を奪われた。
    中でも二人が気になったのは緑の花柄の浴衣、少し青みのある緑で白い花の柄が印象的である。幸がその浴衣をじっと見つめていると店員が幸に話しかけてきた。幸はぎこちない返事ながら試着を行い、浴衣の着方を店員に教わった。鏡で見る自分の浴衣姿に幸は新鮮味を感じ驚いた顔をしている。店員さんのお似合いですよという謳い文句も相まってとても気に入ったようだ。

    そして、お祭り当日、幸はリレットと一緒に昨日聞いた浴衣の着方を実践した。頭にはカチューシャではなく紺色の帯と同じ色をした少し柄のあるヘアバンドをしている。
    時刻は夕方、幸は唯からもらったチラシをもとにお祭りの会場へ向かう、そこにはたくさんの提灯が垂れ下がり、出店もたくさん並んでいる、奥の方を見ると盆踊り会場も用意されていた。昔絵本で見た光景をそのまま再現されたようだった。
    唯とは盆踊り会場の手前にある雑貨や駄菓子などが売られている出店で待ち合わせなのだがそこに行くまでの出店にも少し気を取られる。まぁ、待ち合わせまでの時間には少し早いわけだし、少し立ち止まってもいいかもしれないと思ったその時、目の前に見覚えのある紫の髪の男性がおり、周りには小学生と思われる少年が4,5人ほど周りに集まっていた。
    男性は幸を確認すると軽く手を上げて挨拶をする。普段なら他人に話しかけることはほとんどない幸なのだがいつのまにか行く先をその男性、将信のいる方向へ向けていた。

    「あ…。」
    「おう、尼波じゃないか、こんなところで会うのは奇遇だな。」
    「先輩、お祭り来るんですね…。」
    「意外か?俺はそこまでインドアなタイプではないと思っているが。それより、今日は祭りってこともあって浴衣か?なかなかおしゃれだな。」
    「あ、ありがとうございます。先輩も甚平姿なんですね。」

    自分の衣装に褒められることに慣れてないのか幸は少し照れながら将信と話を進めていると、将信の周りの少年たちが何かをねだるように話しかけてくる。

    「なぁなぁおじさん、去年の射的の上手いねーちゃん今年はこねぇの?」
    「あー、あいつはちょっと遠くに行っててな、秋に帰ってくると思うが今日は来ないぞ?」
    「ちぇー」

    幸は不思議そうに少年たちが去っていくのを見る。将信はため息をつき、幸との話を続ける。

    「あいつらは近所のガキでな、たまに遊んでやってるんだが、去年ある友人と俺が射的対決をしたからまた見たいって言ってあんな感じだったんだ。」
    「先輩は射的上手いんですか?」
    「いや、俺はそこまでじゃないが、友人は普段からライフルを使ってるからな、ガキどもにおもちゃとってやろうぜって感じで対決したけど勝てるわけなかった。」
    「先輩、優しいんだかかっこ悪いんだが…」
    「ま、まぁそれはそれで楽しかったけどな、ははっ。今日は一人か?」
    「いえ、チームメイトと待ち合わせてます。」
    「そうか、まぁ、祭り楽しんできな。今度、お前たちのチームの様子も見に行ってやるよ。」
    「あ、はい。」

    将信と会話していると待ち合わせにはちょうどいい時間になっていた。唯はちゃんと来ているかしらと思いながら、幸は待ち合わせ場所に向かう。唯はめずらしく早くついていたのか暇つぶしにカタヌキをやっていた、後ろで雫も見守っている。幸はが唯に話しかけようとすると唯はちょうど失敗したところで声を上げていた、幸は少し体を跳ね上がらせた。

    「あー!失敗したー!あとちょっとだったのに~、キリンの角難しすぎ~。って幸さん、来るのが遅いですよ~。」
    「唯ちゃん…時間ぴったりだから…遅く…ないよ…?」
    「本当はもうちょっと早く来てたんだけどね、さっき先輩を見かけて少し話してたのよ。」
    「そうだったんですね!こういうところなんで知り合いとばったり会うことありますよね~」
    「それで、どこに行くの?」
    「射的しましょうよ!さっき大きめのぬいぐるみ見つけてめっちゃほしいんです!!」
    「流行ってるのかしら…射的…。さっき先輩も話題に出してたし。」
    「そりゃ、たのしめますからね!」
    「その前に…わたあめ…買っても…いい…?」

    雫は綿あめを片手に幸と唯についていく形で3人で射的の会場に向かった。確かに大きい猫のぬいぐるみがある、角度や表情から落ち込んでるようにも見えるし寝てるようにも見える。目の前の子供がコルクの弾でそのぬいぐるみを狙っていたが大きさがあるせいか当たったところで少し後ろに動いただけだった。店員が残念だったねと子供をなだめているところに唯が話しかけ、子供が親に連れられて行ったところ店員は射的の準備を始めた。

    「唯、射的の自信はあるの?」
    「全然ないけどどうしてもあれは欲しいな~」
    「え…大丈夫なの?」
    「何とかなりますって~」

    唯はウインクして射的を始める。周りには何人か順番待ちをしているのでチャンスは3回しかない。1発目、ぬいぐるみとはまるで違うところに弾は向かってき失敗、2発目、よく狙いを定め撃つがぬいぐるみの横を通り過ぎていく、3発目、弾はぬいぐるみの真下、置いてある台に当たる、外れかと思いきやぬいぐるみは衝撃からか台から落ちる。成功だ、唯は喜び、幸に向かって勝利の部位サイン、周りの人たちも大きな拍手をしているが、幸は少し顔をしかめた。

    幸は、お祭り屋台のたこ焼きと焼きそばを買ってきた。ぬいぐるみをカバンに仕舞った唯は満面の笑みで幸の持ってきたたこ焼きをぱくりと食べる。雫もたこ焼きをふうふうと息を吹きかけながら食べている。幸も焼きそばを一口食べるがやはり気になることがあるようでちらちらと唯を見た後、口元をハンカチで拭い話しかける。

    「唯、あなた能力でぬいぐるみ落としたでしょ?」
    「バレちゃいました~、いやぁどうしても欲しかったんですよね~近くに当たってよかった~」
    「ズルしてまで欲しかったの?」
    「新しいぬいぐるみ欲しかったんです。今、家にあるのは小さいものばかりで大きめのあったほうが戦いにもいいかなって。」
    「あきれた。」
    「うーん…唯ちゃん…ズルは良くないよ?」
    「あはは、ごめんちぃ~、今度から能力の悪用はしないから許して~。」

    まぁ、今回の事は周りの人は何も気づいていたのようなので見逃してやろう。唯にはちゃんと念押しして金魚すくいをやったり花火を見てあっという間に時間は過ぎていた。
    2人に別れを言って楽しい時間は終わり、家に帰る。今日はとてもいい思い出になったが明日からはまた現実に戻されると思うと少しため息をついた。さて、そろそろ本気で勝ちにいかないとな、学校行事頑張るか。

    つづくかなぁ?
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    キラライ

    MEMOハロウィンネタ2024
    幸と雫のハロウィンSS10月31日の昼間、幸の家では人形達が玄関の装飾やジャックオランタン作りをしていた。一方で幸は唯と雫を誘ってカップケーキを作っていた。

    「幸さん、材料はこれで揃いました?」
    「そうね、唯と雫はこの作り方をみて、カップケーキを作ってね。フレーバーや飾りはこっちで切っておくから。」
    「わかり…ました…、できるかなぁ…」
    「少しずつやっていきましょう。唯もカップケーキなら包丁を使わないから安全にできると思うし。」
    「でも料理なんてあんまりしたことないからなぁ。」
    「落ち着いてやればできるものよ。」

    幸は唯と雫に指示を出しながら、色とりどりのかわいいカップケーキを作っていた。幸が珍しく張り切っているのは、先日、将信がハロウィンの日に地元の仲のいい子供たちを連れて知り合いの家を何件か周るというので、幸もなにかのインスピレーションになるかと思い、将信に家に来てもいいと言ったのだ。子供たちに配るためのお菓子として、カップケーキを作ろうと思い、たくさん作るために二人を誘ったのだ。結果的に料理の経験や、楽しい思い出になっているので、すでにとても楽しめている。不安と言えば、いきなりきた子供たちにお菓子をあげたところで、いたずらされたりたくさん話すことになって緊張したりないかと言ったところだが、そのときはそのときで将信にフォローしてもらうことにしよう。
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