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    キラライ

    自創作の過去絵まとめたり
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    キラライ

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    フォーチュンドール本編25

    フォーチュンドール4章3話幸たちが魔法の特訓を始めたころ、オレンジのベストに黒いズボン、鉄板のついた手袋を身に着けた澪は貝森特区のとある道場で今日も修行に励んでいた。と言っても道場の師匠からは目の前にある大岩をひたすら殴り続けろとしか言われていないのだ。澪は半信半疑で岩を殴り続けたが腕が痛くなるばかり。しかし、気合が足りないことに気付き、気持ちを入れ替え、ひたすら殴り続けると、腕に黄色いオーラを纏い、大岩を破壊した。師匠が言ってたのはこれか…と思う澪はこの力の感覚を身に着けようとその場で軽くジャブし、目を瞑った。

    「兄弟、何かつかんだか?」

    澪の後ろから話しかけたのはタンクトップ姿に胸当てなどの金属装備をいくつか身につけた赤いはちまきの男。この道場に通う澪の兄弟子である夜であった。二人は澪が道場に入った時から仲が良く、お互いに兄弟と呼び合い、共に修行に励んでいる。

    「兄弟、僕は新しい力を手に入れたよ。これで妹を守る力が…。」
    「おー、いいじゃないか。にしても妹さん好きだな~。」
    「可愛い妹なんだ。お前にはやらないぞ?」
    「まだ会ったこともないしそこは求めてねえよ。さて、その新しい力を高めるために俺が相手になってやろうか?どんなもんか俺も見たいしな。」
    「よろしく頼むよ、兄弟。」

    気功を手に入れた澪はその力を高めるために夜とお互いに半裸になり、それぞれの手を組み合い、力の押し合いを始めるのだ。物覚えの良い澪が安定して気功が使えるようになるまでそう時間は掛からなかった。にしてもむさくるしい。

    さて、前の話の続きと行きましょうか。幸達、そしてクラン達は昨日と同じ学校のような建物に集まっていた。クランは大声で自己紹介すると幸が驚いて、肩を跳ね上げる。そんな幸を見て、雨はクランに事をこんなやつで申し訳ないと言い、幸がマナコアを持ってきたか確認する。しかし、マナコアはそれ単体で使うことはどうやらできないらしく、体に入れて使うか何かアーティファクトを用意する必要があるようだ。クランは武器を使わないし、雨はどうにかクランの体内に入れる方法を見つけた時のために、幸からマナコアを一つ受け取った。話が終わると今度は零子が幸に話しかける。しかし、あまりのハイテンションな零子に対して幸はビビりまくり、まともな返事を返していない。雨に落ち着けと言われる零子だがどうにも興奮は止まらない。ぜひ、幸の人形も見せてほしいというと。カバンからここは私がと言わんばかりにカーマインがでてきて、高笑いをしながら、零子と話すのであった。そうこうしているうちに、将信とクランの準備ができたようなので、試合開始の合図を誰かしてほしいというのだ。

    「はいはい、あたしが合図するから。」
    「よろしく頼むよ。尼波、譲葉、魔法の使い方見ておけよ。」
    「は…はい…。」
    「クラン君も頑張ってね。」
    「お互い、距離を置いて、よーい、はじめ!」

    雨が合図をした瞬間、将信はゴーレムを召喚し、自らの体を地に埋め、ゴーレムの中に魂を入れる。クランは、光魔法の弾をゴーレム向かって放つと弾がゴーレムに近づいた瞬間爆発した。腕一本を砕かれたゴーレムは砕けた破片をクランのほうにぶつける。両腕をクロスさせガードの体制をとるクランであるが、将信は幸との戦いと同様にこの隙に魔法を唱える。クランの真下から地面を突き上げ、前の日と同じようにクランは宙を舞う。浮いているところにさらに追い打ちをかけるように、ゴーレムの拳がクランを襲う。クランは防御魔法で防ぎ、ゴーレムの腕に乗るが思いっきり振りほどかれ、地面に着地する。クランが周囲を見渡すと。クランを囲むように複数体のゴーレムが召喚されているが、壁のように動かない。再び、下からの攻撃に警戒するクランの後ろで動く音がした。一体のゴーレムがクラン目掛けて拳を振るう。クランは攻撃を躱し、そのゴーレムに魔法を仕掛けようとするが、また別のゴーレムが動き出し、クランを攻撃。キリがないと判断したクランは、次のゴーレムの攻撃の時、自らを中心にそこから全方向にハリネズミの針のように光魔法を出し、攻撃と防御を同時に行った。将信が次の作戦を考えている隙に、クランは人型に作った光を分身に見立て、大量に召喚し、本人は光学迷彩で隠れた。将信とクランはそれぞれ、魔力の出所を察知しながら、本体へ攻撃を仕掛ける。そこだ!先に気付いたのはクランであったが、クランは攻撃できずに、将信の攻撃を真に受けて倒れる。勝負あり。将信が察知に遅れ、さらにクランが攻撃できなかった理由は、魔力切れである。

    「なかなかいい戦いだったな。俺もかなり魔力を使った。」
    「クラン、大丈夫か?」
    「あ痛てて、なかなかやるなあ~。ゴーレムのどれかから魔力を察知できたけど、どういう能力?」
    「魂を交換、移動させる能力だ。はっきり言って、俺じゃなきゃ、こんな能力悪用すると思うぞ。」
    「え?何?これ魂の能力者の集まりなの?」
    「譲葉は違うけどな。」
    「私…もあんな風に…魔法…使えるかな…?」
    「雫、一緒に頑張りましょう。」
    「は…はい…」
    「幸さん!もっと人形見せてくれませんか?」
    「あ、うん。いいわよ…」

    コミュニケーション苦手さが露骨に見えてる幸をみて将信は軽く笑みを浮かべた。クランは、また魔力補給に行かなきゃな~と思うも、先程の戦いでもう少し防御面を鍛えたほうがいいかと判断し、雨に相談した。

    「なぁ、雨!俺さ、防御面を鍛えようと思うんだけど。」
    「おう、殴ってやろうか?」
    「い、いやぁ~今はダメージが深刻。」
    「冗談。まぁクランがやりたいようにやればいいんじゃない?」
    「そーだなー。あ、そうだ!夜先輩がどっかの道場に通ってるって言ってた!俺も行こうかな?」
    「道場?譲葉、お前に兄も道場で修行してるって言ってたよな」
    「あ…はい…」
    「まさか同じとこではないだろう?まぁ、入ってもし居たら声かけて見れば?」
    「よっしゃー!俺も頑張るぞー!」
    「その前に傷の手当してあげてよ雨ちゃん、今の戦いは学校での戦いと違うのよ。」
    「そうだな。クラン、今日は帰るぞ。」
    「学校での戦い?」
    「あー、あたしたちこの特区の関係の貝森第二高校出身で、学校行事でチーム戦やってたのよ。」
    「私たちと同じ…。」
    「俺たちも貝森高校出身で同じことしてたぞ。それでこの二人と出会った感じだからな。」

    母校の話で話を弾ませる6人。今日ところは解散し、それぞれ家で休むのだった。

    一方そのころ、凛太郎は魔女たちから拷問を受けていた。図書館に関連する魔女が魔導書にあった能力を元の魔導書に戻すために体力を使い切り、再び眠りについた。その本は魔女たちに回収され、凛太郎は空腹から解放されたものの、一ヶ月ほど魔力や能力を封じるテープを左の手首に付けられ、その辺に捨てられたのだった。凛太郎は泣きながらうずくまっていた。せめて誰かに助けてもらおうと、頼れそうな人物を探しに凛太郎はおぼつかないながら歩みを進めた。

    つづく
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    キラライ

    TRAININGフォーチュンドール本編37
    フォーチュンドール5章9話ドクターが幸の魔力強化をしようとしたが、魔導書の能力がドクターの魔力を吸い取り、巨大なクジラの魔物と化した。ドクターは逃げ出し、幸も気絶している状況で将信たちはクジラの魔物と戦うことになった。将信は幸を守るため、ひとまず地属性魔法で幸の周りを囲う。将信は室内戦があまり得意ではない旨をクランたちに伝えるとクランはここは任せてくれといい、光の弾を宙に浮かせ、魔物の周りで爆発させた。しかし、その爆発をの魔物は大きな口を開けて吸い込み、その後に咆哮をした。クランたちは何とか持ちこたえる。零子が後ろにまわり剣を投げ、雨は念力で宙に浮き、魔物の上に乗っかり拳で思いっきり殴りかかる。すると、魔物は大きく尻尾を動かし、零子は上手くよける。そしてクジラ型の魔物であるために潮吹き攻撃をする。ちょうど雨のいる足元から光が当たると虹色になる白濁とした液体が吹き出し、雨に直撃する。雨に纏わりつくその液体は次第に凝固していき、雨は上手く身動きが取れなくなり、下まで落ちてしまう。それをクランがキャッチしに行き、ダメージを抑えることができた。零子も雨を心配し、そちらに行く。
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    キラライ

    TRAININGフォーチュンドール本編36
    フォーチュンドール5章8話幸、唯、雫の3人はカフェで女子会をして楽しんだ。しかし、幸の様子が何かいつもとは違うように唯は感じた。幸に調子が悪いのか聞くと、何でもないというが明らかに表情は険しかった。雫も唯に言われて幸の表情を見る。幸は二人の視線が鬱陶しいのか早歩きをして、2人の前を歩くようにした。唯が何かしたなら謝ると言い、幸に手を伸ばすと、幸はその手を振りほどき、唯にビンタをした。雫は動揺し、幸の腕をつかみ揺さぶると、幸は雫を突き飛ばす。唯が幸の名を呼ぶと、幸は我に返り、何が起きたのかわからず、頭を抱える。

    「幸さん?どうしたんですか?本当に幸さん?」
    「わからない…今私は何を?」

    「っていうことがあったんですよ。」

    唯と雫は昨日の幸の事を凛太郎に話した。凛太郎は幸が魔導書を読んでいるという話を聞いていたので、それは魔導書の副作用のようなものではないかという。実際に凛太郎も魔導書を読んだ時に常に空腹を覚えていたので、魔導書の有害性を2人に話した。雫はぎょっとして、幸の性格が治らなかったらと心配した。唯が凛太郎の魔導書の能力がなくなった時はどうしたかを聞くと、魔女たちに捕まっていろいろされたというのだ。そして、魔導書の能力を本に戻す魔女は今は眠っていると聞いているので、他に案はないだろうかと考えていると、そこに信楽が現れた。信楽にも幸の話をすると、ちょうどいい機会だと雫に魔女の集会場に行ってみることを提案する。しかし、凛太郎はあまり乗り気ではなく、また魔女たちに何かされると考えると恐怖でしかなかった。そのため、雫と信楽で魔女の集会場へ行くことになった。と言っても信楽は場所を案内しただけで、あとのことは雫1人に任せたのだった。一人ぼっちになった雫は戸惑った。これなら唯ちゃんも連れてきたら心強かったなぁと思うが、せめてこの場所を一通り覚えようと見て周っていた。どこがどういった場所か聞こうにも、知り合いの魔女がほかにいるわけでもなく、話しかけるのも難しいと思っているし、さらに言えば他の魔女たちに怪しい視線で睨まれているような気がして、怖くなってきた。そんなところに、博士のような帽子に袖の長い白衣、ぐるぐる眼鏡をかけた女性が話しかけてきた。
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