オルト☆quiet followTRAINING悪魔×神父の両片想いタイカケ 「なぁカケル、魂よこす気になったか?」「なってないよ。タイガこそ、ホントに俺の魂奪う気あるの?」 カケルが呆れた顔で言うのは、タイガがベッドに寝転がりパンを齧りながら尋ねたからだ。ぐうたらしているのを「悪魔らしい」と言ったらそれまでだが、流石に人間から魂を奪う態度ではないだろうと思った。「あー? あるある」 口の周りをぺろりと舐めて身体を起こしたタイガは、大きなあくびをして答えた。「も~。布団にパンくず零さないでよ」 カケルははたきを手にしてベッドを叩き、タイガの零した食べカスの掃除を始めた。せっせと掃除をするカケルを、タイガはぼんやり眺めていた。「なー、カケル~」「なーに?」「魂よこせよ~」「いや、そんな軽く頼まれて渡すと思う?」「だって、どうすりゃいいのかわかんねぇもん。どうしたら魂くれる気になんだよ」「何してもなりません~。ていうか、本人に聞いて教えるワケないじゃん」 初めてタイガがカケルの元に訪れた時、タイガはそれなりにカケルを誘惑しようとしていたが、どれも少しズレていて、カケルの心には全く響かなかった。そのうちタイガは(彼なりに)真面目に誘惑するのを諦め、こんな調子になってしまった。「ねぇ、タイガさ、もしかしてもう俺の魂取る気無いんじゃない?」「そん、な、こと……ねぇ!」 明らかに「ぎくり」という顔をしたタイガは、ふんと鼻を鳴らしてまたベッドにふんぞり返った。しっぽがそわそわと動いている様子を見ると、どうやら図星のようだ。カケルはその様子がおかしくて笑い出しそうになったが、なんとか耐えてタイガを上から覗き込んだ。「悪魔のくせに、ここにいるの楽しくなっちゃったんじゃない? 美味しいパンや葡萄酒が飲めるもんね?」「べつに、美味くねぇよ」「そぉ?」 確かに、悪魔が好みそうではないとはカケルも思う。そもそも悪魔が食べても許されるものなのか、と思ったが、きっと悪魔には戒律も何もないのだろうと一人納得した。「じゃあ、なんでここに居ついてるの? もしかして、人が集まってる時に一気にとか思ってる? まぁ、そんなことさせないけど」「そんな真似しねぇよ。魂取るのは、一対一の男の勝負みてぇなもんだ!」 タイガは不服そうな顔をした。一体どんな勝負だよ。聞いたこともない。カケルはタイガの言葉に首を傾げた。悪魔にしては妙に正々堂々としているのが、カケルは不思議だった。かつて祓ってきた悪魔たちは、皆揃って汚い手を使うものばかりだった。だから、カケルは「この子は本当に悪魔なのだろうか?」と思いながらタイガと接してきた。「なぁんか、タイガって悪魔っぽくないよね」「はぁ? 俺は立派な悪魔だ! バカにすんな!」 タイガは足でげしげしとカケルを蹴飛ばした。明らかに手加減している。こういうところも悪魔らしくない。カケルはこんなタイガを祓う気には全くなれなかった。「ね、教えてよ。なんでここに居続けるの? 俺がこんなこと言うのもなんだけど、魂を取りたいだけならここで……俺に固執する必要ないじゃない? 誘惑すれば簡単に渡しちゃう人もいるんじゃない?」「……そんなの、おめぇが……」「え?」「……き、……から」「なに? 聞こえないよ?」 カケルが顔を近付けると、タイガはするり隙間を縫ってベッドから抜け出した。そしてそのまま窓を開けると外に飛び出した。「おめぇが俺に魂よこす気になったら教えてやるよ!」 そう言うと、あっという間に雲の向こうに消えていった。「えぇ~。それじゃあ、ずーっとわからないままじゃん」 カケルは小さく溜息を吐いて、タイガの飛んでいった空を見つめた。「俺に会いたいから、って期待しちゃったんだけどなぁ」 カケルは窓を閉めて、ベッドに寝転んだ。ほのかに残るタイガの匂いを胸いっぱいに吸って、カケルは一粒だけ涙を流した。Tap to full screen .Repost is prohibited Let's send reactions! freqpopularsnackothersPayment processing Replies from the creator Follow creator you care about!☆quiet follow オルトPROGRESSでき…た?タイカケポスター オルトPROGRESS出来てきてる!!!ポスター!見て見て!させて! オルトPROGRESSポスター進捗 オルトPROGRESS盗賊×商人。だいぶ、完成に近づいてきた……!! 2 オルトPROGRESS盗賊タきゅん進んだ~!けどまだまだ先は長い……。 オルトPROGRESS盗賊くん……っ recommended works 桔子kikko*TRAININGデッサンってアナログでしかできないと思いこんでたのでやったことなかったけど、案外それっぽくできるもんなんだなぁ。石膏像なんてもちろん持ってないのでこれはただの写真模写だけど。こないだ描いてたティルグナーさんのやつ。もっと上手になりたい……デッサン練習する!作画過程 https://www.pixiv.net/fanbox/creator/1481084/post/577793 はやまおう。TRAININGリアルデッサン風に部族っぽいお兄さん。架空の人物です( ゚Д゚)何人だろう…。 サモエドDOODLE7話女装院とすけべ(タイカケ・ちょっとエロ) 2 ikuse_hinanoTRAINING ふぃれDOODLEかわよな厚底があったという絵 ikuse_hinanoTRAINING pMtg6aPAST11月の角材と7月の木箱です 2 pMtg6aTRAINING未完 3 オルトTRAINING成人タイカケ。おじさん組と無自覚両片想い。「それでさぁ~、タイガきゅんがさぁ」 顔を真っ赤にしたカケルが、日本酒をちびちび飲みながら声を上げる。「うんうん、それで?」「こんどね、おれっちの出張の前に、どこか遊びに行こ~って、いってくれたのぉ!」 締まりのない顔で言うカケルに、ミナトが「良かったなぁ」と声を掛けると、カケルは「いいでしょ~」と言って笑った。その隙に、ユキノジョウはカケルの手元から徳利を遠ざけ、自分の手元のものと入れ替えた。「だからねぇ、おれっちもう楽しみで楽しみで……」 カケルはそのまま徳利からおちょこに中身を注ぎ、またちびちび飲み始めた。カケルは気付いていない。徳利が入れ替わったことも、その中身が水であることも。今日はいつもに比べて格段に飲むペースが速く、先程からユキノジョウもミナトもカケルの様子に気を配っている。だいぶ酔っているようで、タイガに遊びに行こうと誘われた話を何度もしている。話を聞かされている二人は、その度に初めて聞いたように反応していた。「これ、デートって思ってももいいのかにゃぁ?」「あぁ、デートだろう」「そうそう、香賀美は照れ屋だから、そう言わないだろうけどね」「えへへえぇ。 1563