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    オルト

    どうしようもないものを投下

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    オルト

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    22世紀蕎麦屋のタイカケ(高一×22歳)

    「なぁ、カズオ。いつになったらちゃんと俺と付き合ってくれんの?」
    「タイガ、くん……?」
     タイガくんの部屋で勉強を見ていてあげたら、突然床に押し倒された。俺の手首を押さえつける腕は、しっかりと筋肉がついている。あぁ、もうすっかり大人の身体なんだなぁ。ぷにぷにで可愛かったタイガくんは、もう過去の存在だ。
    「なぁ、もう俺の方が力も強いし、背だってあの頃よりずっと伸びた。もうすぐカケルのことも追い越すし……」
     俺を押さえつける手に力がこもる。
    「タイガくん、痛いよ」
    「あ、ごめん」
     タイガくんは力を緩めてくれるけど、その手を俺から話す気はないみたいだ。
     もうずっと、俺はタイガくんの気持ちから逃げている。いや、逃げているというか、まだ応えてはいけないと思っている。
    「タイガくん、あのね……」
     高校を卒業したら。ずっとそう答えてきているけど、タイガくんはどうにも納得してくれない。
    「なんで、卒業したらなんだよ?」
    「だからそれは……」
    「クラスの連中はもう付き合ってるヤツいるぞ?」
    「それは、同じ高校生同士とかでしょ?」
    「うん……」
     タイガくんは、しゅんと眉を下げる。
    「俺は大人で、タイガくんはまだ子供なの。だから、手を出したら捕まっちゃうんだって」
    「俺がカケルに手を出すのは?」
     いやいや、そういう問題じゃない! タイガくんは真剣な顔で俺を見る。冗談じゃなく、本気で聞いてるんだな、これ。
    「あのね……」
    「セックスがダメって意味なら、その……『本番』は俺が卒業してからでもいいから」
    「は、はぁぁぁ!?」
     セックス? 本番!? まさかのワードがタイガくんの口から出て来て、俺は心底驚いた。そうか、もう高校生だもの。知っててもおかしくはない、か……。俺はどうやらタイガくんのことを子供に見すぎのようだ。
    「なぁ、ダメ? カケルがダメって言うことはしないから……ちゃんとカケルの彼氏になりたいんだよ」
    「う……」
     泣きそうな顔をして言われると、どうにも弱い。頷いてしまいそうになる。
    「ねぇ、彼氏にならなくっても、俺はこうしてタイガの所に来るし、他の誰のものにもならないよ?」
     自分を律して、タイガに諭すように声を掛ける。タイガはそっと手を離すと、俺に背を向けてしまった。
    「タイガ……」
     ずっ、と鼻をすする音がする。あぁ、泣かせちゃったかな?
    「ホントに、誰のものにもならない?」
    「うん、ならないよ」
    「じゃあ、今は付き合わなくても良いから、約束しろ」
    「約束?」
     くるりと振り返ったタイガは俺の手をぎゅっと握った。
    「一生涯、付き合うのは俺だけだ。いいな?」
    「うん」
    「絶対だかんな!」
    「うん」
     俺が頷くと、タイガくんは心底嬉しそうに笑った。
    「よっしゃ!」
    「ふふっ」
     かわいいな、笑顔は小さい頃と変わらないな、と思ってタイガを見つめていて、ふと気づいた。
     一生涯タイガくんとだけ、って、あれ? もしかしてこれって、プロポーズ?
     勿論、俺はタイガくん以外の人とお付き合いする気なんて少しもないけど、凄い約束をしてしまった気がした。
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    オルト

    TRAINING154日目 1352文字
    付き合ってないタイカケのデート
    今日は天気もいいし、比較的暖かい。気持ちがいいな、と思い窓を開けて外を見るとちょうどタイガきゅんが玄関から出て来た。
    「あ、タイガきゅーん! どこ行くの~?」
     呼び止めるように声を掛けると、タイガきゅんはピタリと足を止めた。くるりと振り返ったタイガきゅんは、どこか嬉しそう。何かいいことでもあったのかな?
    「天気いいし、散歩。おめぇも行くか?」
    「え! いいの!?」
    「ダメなら聞かねぇよ。どーすんの?」
    「行く!」
     まさかタイガきゅんから誘ってくれるなんて、思わなかった。スマホとお財布だけを手にし、部屋を飛び出した。外に出ると、タイガきゅんは穏やかな笑顔で立っていた。あんな顔するんだ。
    「よし、行くぞ」
    「うん!」
     俺たちは並んで、温かな陽気の中歩き出した。

     公園に着くと、子供たちをはじめ、老夫婦や若い恋人までいろんな人でにぎわっていた。移動販売の車では、スイーツや軽食を販売していて、俺たちも軽食を手にベンチに腰かけた。
    「ん、おいしい!」
    「こっちも美味い」
     俺はソフトクリーム、タイガはフランクフルトを買った。甘いものを食べてると、しょっぱいものも食べたくなるんだよね。俺も 1422