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    オルト

    どうしようもないものを投下

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    オルト

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    出張中の成人済み同棲タイカケ
    なんてことない日常会話って、尊いですよね……。

    「ん?」
     スマホの画面が着信を告げる。マナーモードにしているから音楽は流れないが、映し出された画像とテキストが、大好きな彼からの着信であることを告げる。
    「え、うそっ」
     めずらしい。タイガから掛けてくるなんて。もしかして、またお金持ってないのにタクシーに乗っちゃった? でも、今すぐには助けに行ってあげられない。だって……
    「しもしも~? タイガ、どうしたの? こんな時間に。今そっち夜中だよね?」
     今俺は、出張で国外に来ている。時差の関係で今日本は夜中の筈だ。
    「あー。でも、この時間じゃないと、おめぇ電話に出られないと思って」
     眠そうなタイガの声。きっと目をこすりながら、ぼんやりした顔で電話をしているのだろう。容易にタイガの様子が想像できる。
    「そ、それはそうだけど……。何かあったの? こんな時間にわざわざ電話なんて」
    「何かなきゃ、電話しちゃいけねーのかよ?」
    「え?」
     何もないのに、電話してきたってこと? 普段、電話どころか、メッセージも一言二言しか送ってこないのに?
    「最近、声、聴いてなかったし……。文字で『元気か?』って聞いても、おめぇなら絶対元気だって返すだろ、元気じゃなくても」
    「あ、あはは」
     まぁ、確かにタイガにそう聞かれたら、例えお疲れモードでも「ちょー元気♡」と絵文字を付けて返してしまうだろう。
    「だから、ちゃんと声聞いて確認したかったんだけど……その様子だと、元気そうだな」
    「え? わかるの?」
    「おう」
     タイガがあまりに自信ありげな声で答えるから、思わず笑ってしまった。でも、確かに、本当に元気なのだ。プロジェクトがうまく進んで、予定よりも早く帰れることが決まったばかりなのだ。それが声に滲んでいたのだろうか? そうだとしても、電話越しでそれがタイガに伝わったことに驚いた。
    「タイガきゅんのこと、そろそろ騙せなくなってきたのかにゃ~?」
    「騙す気だったのかよ?」
    「いやいや、まぁ、その、心配かけないようにしたいとは思ってるけど」
    「そう言って元気なフリされる方が心配するっつーの。ちゃんと言えって。俺たち、つきあってんだからよ」
     呆れたような溜息が聞こえる。タイガも随分正直に言ってくれるようになったものだ。少し、感動してしまう。
    「うん!」
    「それならよし。あんま無茶すんなよ? まだ仕事残ってんだろ?」
    「ふふふ~ん。それがね、予定より早く帰れることになったんだよ」
    「……マジか!」
     一拍置いて、タイガの大きな声が聞こえた。同時にがしゃんと何かが落ちる音が聞こえる。きっとタイガのことだから、ベッドに色々乗せてたものが落ちたのだろう。
    「飛行機の便とか確定したら、またちゃんと連絡する」
    「おう! 何か食いたいモンあったら、連絡しろな。ミナト先輩にレシピ聞いて、作っとく」
    「うん、ありがと」
     さっきの眠そうな様子はどこへやら。ハキハキした嬉しそうな声に、俺も嬉しくなる。
    「それじゃ、詳しくはまた。こんな時間なんだから、ちゃんと寝るんだよ!」
    「あぁ! おやすみ」
     電話を切って、目を閉じてタイガの様子を想像する。きっと、興奮してソワソワして、眠れなくなってしまうんだろう。可愛いタイガ。
    「さぁて、残りも頑張りますか!」
     早速ご飯のリクエストを送っておこう。朝になったら速攻でミナトッチに連絡するタイガのことを想像しながら、俺はトーク画面を開いた。
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    オルト

    TRAININGタとシンちゅわとモブしか出てこないけど、タイカケです。華京祭が終わってすぐのこと。クラスはミス華京院の話題で持ち切りだった。みんな誰が可愛かったとか、来年は自分も出てみようか、なんて話している。
    「なぁ、お前も意外と可愛かったぞ!」
    「…………」
     クラスメイトに声を掛けられたタイガくんは、両耳を塞いで机に突っ伏している。僕もクラスメイトに褒めてもらえたり色々聞かれてちょっと照れ臭かったけど……。
    「いや~優勝した西園寺、可愛かったな。俺、ファンクラブはいろうかなぁ?」
    「俺は太刀花先輩だなぁ~。美人のお姉さま、って感じですげぇイイ」
     みんなそれぞれに感想を述べている。みんなで頑張ったから、こうして褒めてもらえるのは嬉しいな……。
    「俺はやっぱり十王院先輩だなぁ~。あの衣装も髪形もクオリティ高かったし!」
     カケルさんの名前が出たその時、タイガくんの肩が揺れた。タイガくんはゆっくり身体を起こしてカケルさんを褒めたクラスメイトを睨んだ。睨まれた本人はそのことに気付いていないみたいだけど。
    「あれってアニメかなんかのコスプレだろ? おめぇそういう趣味なの?」
    「いいだろ、別に。ていうかソレ関係なくイイと思ったんだよ。校内でたまに見るけど、め 1002