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    オルト

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    オルト

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    タイカケ
    野ションする昔馴染み設定の幼児タイカケ。

    「たいがくん、お、おトイレいきたいよぉ」
     カズオが鳴きそうな声を上げながら、脚をモジモジさせている。最近都会からやって来て、一緒に遊んでいるこのカズオ。歳は同じくらいだと思うけど、よく知らない。
     ションベンしたいなら、その辺ですればいいのに。どうやら都会育ちのこの坊ちゃんは、綺麗なトイレじゃないと用を足せないらしい。
    「ねぇ、この辺りにおトイレないの……?」
    「ねーよ。もう少し歩いてけば畑にあるぞ」
    「ホント!?」
    「でも水流れねぇぞ」
    「えぇぇ」
     カズオはべそべそ泣きながら言った。一体どうしたらいいっていうんだ。そろそろ限界って顔してるけど、俺にはどうすることも出来ない。ていうか、俺もしたくなってきた。
    「なぁ、その辺でしちまおうぜ」
    「え、どういうこと?」
     困った顔のままのカズオが、首を傾げる。わからない? そんなことないだろ。誰だって一度はしたことあんだろ、その辺で立ちション。
    「ほら、立ってちんちん出せって」
     俺は自分のズボンを少し下げながら、カズオに言った。カズオはぎょっよして俺を見る。
    「だ、だめだよ! こんな所で……!」
    「だって、しなきゃお漏らししちまうじゃん。いいのかよ?」
    「う、うぅ……」
     まったく。都会では一体どうしているって言うんだろう。
    「おめぇ、外で立ちションしたことないのかよ?」
    「え、あれってテレビの中だけじゃないの?」
    「は?」
     都会では外では立ちションしないのか? そんなにそこら中にトイレが?
     やっぱ都会ってすげぇんだなぁ……。
    「でも、僕、やってみたい!」
     カズオは表情をキリッとさせて立ち上がった。
    「僕、テレビで見たんだ。こういうところでおしっこするの」
    「へぇ。でも、こういうところで立ちションすんのは、漫画やテレビの中だけの話じゃないんだぞ」
    「ど、どうすればいいの?」
    「こう、だよ……」
     少し恥ずかしいけど、カズオに手本を見せる。カズオはすぐ俺の横に並んで、ズボンに手をかけてちんちんを出した。
     二人で並んで出す。うん。悪くない。
    「ぼく、初めてこんなことしちゃった。お父様にもお母様にも、絶対内緒にしないと」
     そう言って笑うカズオは、なんだか楽しそうだった。それを見て、俺も少し楽しくなった。
    「なぁ、東京じゃできないこと、他にも色々俺が教えてやるよ!」
    「ホント!? やった!」
     普段はすました顔していることの多いカズオが、凄く楽しそうに笑ったその瞬間、なんだか心臓がドキドキした。俺たちは近くの小川で手を洗い、そのまま川の中に入って魚を取って、虫を取ったりして沢山遊んだ。休みが終わる頃にソイツは東京に帰っちまったけど、またいつか会った時は、俺がまた色々教えてやるんだ。
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