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    796文字
    22世紀蕎麦屋タイカケ(中1×大1)

    「大学ってさ、どんな感じ?」
    「どんな、って授業が?」
    「授業もそうだけど……周りの人とか」
     食後、蕎麦湯を飲んでいたら厨房から出て来たタイガくんが僕の前に座って尋ねた。少し怒ったような表情で、こちらを見ている。
    「うーん、授業は楽しいよ。高校までとは違った雰囲気の教室での授業だし、学ぶことも全然違うし、新鮮。周りの人は……そうだなぁ……」
     同じ学部やゼミの人を思い浮かべていると、タイガくんの表情が険しくなった。
    「どうしたのい、タイガくん。そんな顔して」
    「だって、大学に悪い虫がいたら大変だろ。もしいたら、俺が大学乗り込んで退治してやる」
    「……あはは! タイガくんが大学に入ってきたら、早すぎる学校見学だと思われて案内してもらえるかもね!」
    「笑ってんじゃねーよ!」
     むくれてしまったタイガくん。まだ幼いその表情は、なんだか可愛い。
    「ごめんごめん。心配してくれてるの?」
    「あったりめぇだろ! カケルは俺の恋人になるんだ。それまで絶対、他の奴らに手出しさせねぇから」
    「っ……」
     真剣な表情に、どきっとしちゃう。小さいころから「好き」の気持ちをいっぱい貰って来たけど、今でもタイガくんは本気で僕を好きでいてくれるんだ……。
    「大丈夫。タイガくんの恋人になるまで、自分の身は自分で守るよ。心配してくれてありがと」
     そう言って頭を撫でると、タイガくんは嬉しそうな表情をしたけれど、すぐにまたむくれてしまった。
    「子ども扱いすんなよ。俺だって、カケルの事守れるんだからな。もう中学生になったんだから!」
    「そっか、そうだよね」
     僕から見たら、まだまだ中学生は子供だ。でも、僕も中学生になったばかりの頃は大人になった気がしていたから、きっとタイガくんもそうなんだろう。
     タイガくんのこと、あんまり子ども扱いしたら可哀そうだな。ちゃんと、タイガくんの気持ち尊重しよう。そう思ったものの、タイガくんを撫でる手を止めることは出来なかった。
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