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    どうしようもないものを投下

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    696文字
    RPGタイカケ
    盗賊と商人のなんでもない日常

    「おぉ~。今日も大量じゃん」
    「まぁな!」
     得意げな顔で麻袋を差し出すタイガ。俺はそれを受け取って、中身を確認する。
     色とりどりの宝石や、さまざまなアイテム。タイガが戦闘をしたモンスターが落としていったそれらを買い取るのが、俺の最近の日課だ。
     タイガは元々盗賊だったけど、ある剣士に出会ってからは盗みを辞めて自分も剣士になるべく修行を積んでいるのだそう。その際に得たアイテムを俺に売って、そのお金で装備を揃えようと頑張っている。
    「あ~、腹減った」
    「キッチンに食料があるから、好きに食べて良いよ」
    「おう。サンキュ。おめぇは、もう飯食ったの?」
    「いや、まだだけど。そんなに食欲ないし、タイガ好きに食べていいよ、俺は宝石の鑑定してるから」
     その言葉に、さっきまでの表情から一転、タイガは不機嫌そうな表情になった。
    「え、なに?」
    「おめぇも一緒に食え。鑑定、後でいい」
    「でも、一人分しかないし。あー、お肉とかないんだ。パンだけだけど、少しは腹の足しになると思うよ」
     宝石に着いた泥を落としながらそう返すと、タイガは外していた装備品を身に纏始めた。最後に剣を担ぐとドアの方へ向かう。
    「え、ちょっとどこ行くの?」
     ドアを開け、外に出てタイガは言う。
    「肉、狩ってくる。だから、おめぇも一緒に食えよ」
    「え!?」
     まって、と声を掛ける隙も無く、タイガは凄いスピードで駆け出していった。別に、俺の食事なんて気にしなくていいのに。
     でも、なんか嬉しいな、気にかけてくれるの。
     タイガが見えなくなってから、開け放たれたままのドアを閉めた。
     作業台に戻って、宝石を一つ摘まんで光にかざす。タイガの目の色と同じ宝石。これは売らずにとっておこう。
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    オルト

    TRAINING付き合ってるタイカケ。初夜まで道のり通そう。タイガきゅんとお付き合いを始めて早三か月。そろそろ、キス以上のことがあってもいいんじゃないかと思っているんだけど、全然そんな気配はない。俺が一生懸命それらしい雰囲気を作っても、タイガきゅんには全然効いていない。ベッドに座って寄りかかったら、「眠いのか?」なんて聞かれるし、じっと上目遣いで見つめたら「何ガン飛ばしてんだよ。怖くねーけど」とか言われるし、二人きりの部屋で服を脱ごうをしても「暑いのか?」だって! 意気地がないのか、純情すぎるのか……。そりゃ、俺だってキスだけでもすっごくドキドキしちゃうけど……!
     いったいどうしたらタイガきゅんはその気になってくれるだろう? いっそ、正直に先に進みたいと言うべきか? いや、そもそもタイガきゅんはこの先を知ってるの? 俺だって最近調べて知ったのに?
    「うーん……どうしたもんかにゃ~」
     ネットの海で自分と同じ状況の人を探しても、ぴたりと一致する人はいない。それでも、恋人に仕掛ける方法はいくつか見つけられた。
    「何事もものは試しだよね」
     俺は「準備」をすべく、引き出しに仕舞っていたいたローションとゴムを手にトイレへと向かった。

    「ねぇね、タイ 1207