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    1389文字
    タイカケに触れるモブくんの話

     まったく。なんなんだよ、香賀美係って。
     その日、俺は建物の影に注意を配りながら、クラスメイトの香賀美タイガを探していた。香賀美のサボリはいつもの事だけど、今日は先生に探して来いと言った。なぜか「おまえは香賀美係だろ」って。まぁ確かに、俺は香賀美の隣の席だし、他のクラスメイトに比べたらまだ香賀美と話す機会は多い。けど、だからってなんでそんな係を命じられなきゃならないんだ。
    「はぁ。おーい、香賀美~、どこだよ~」
     呼んで出てくるわけはないと思いつつ、俺は香賀美の名を呼んだ。すると、香賀美ではない別の誰かの囁くような声が聞こえてくる。
    「ほら、タイガきゅん、呼ばれてるよ」
     タイガきゅん。可愛らしい呼称がついているが、おそらくは俺の探しているタイガと同じ人物の事を指しているのだろう。
     辺りを見回して、声の出どころを探す。人の姿はない廊下は、しんと静まり返っている。もう一度、「香賀美~」と呼んでみる。すると、「はぁい」と帰ってきた。さっきと同じ声だ。耳を澄ますと、「見つかったらどーすんだ」と香賀美の声が聞こえた。近くにいる。
    「バレちゃったらどうしようねぇ? ふふ、かくれんぼみたい! おれっちやってみたかったんだ~」
     もう一人の声の主は、なんだか楽しそうだ。かくれんぼ、か。俺は鬼ってことか。だったら、自力で見つけてやるぞ。幼き頃の記憶が蘇り、不思議と闘争心に火がついた。俺は息をひそめて目を閉じ、周りの音に神経を集中させる。
    「ったく。なんで探してんだ?」
    「そりゃ授業中だからでしょ? サボリはダメだよ~?」
    「おめぇだってサボリだろ」
     そうだそうだ。誰なんだ? 一緒に居るのは? クラスメイトは香賀美以外揃ってたし……ほかのクラスの奴?
    「おれっちは、今日は午後お休みの届出してるからいいんです~。これから会社戻んなきゃだし」
     会社? え、どういうことだ? 大人? でも、声だけ聴くと俺らと歳が変わらないように感じるけど……。
    「カズオ、おめぇ黙ってろ」
    「ふふっ、はぁい! んふふふ」
     誰かわからぬ人物が嬉しそうに笑うと、二人の声はピタリとやんでしまった。ここからはノーヒントってわけか。
     俺はもう一度周辺をうろうろする。倉庫のドアやロッカーを開けてみればいい話だが、何となく、一発で引き当ててやりたい気持ちが沸いた。ミスったら逃げられるってわけじゃないだろうけど、何となく、そういうゲームのような気がしてしまう。
    「あっ!」
     突然、もう一人の誰かの声が響いた。先程までのひそひそ声ではなく、しっかりとした声量で。
    「ん、あっ」
     なんだなんだ?
    「も~、いい加減にして!」
     またひそひそ声がする。
    「いいだろ、キスくらい」
    「キスだけじゃなかったでしょ、今!」
     ななな、なんだ? え? マジ? もしかして、そういう事?
     まぁ、そういうことがあるっていうのは知ってる。でも、まさか校内で自分が目撃(見ているのではなく聞いているのだが)するとは思わなかった。
     香賀美を見つけて連れ出そうとは思えず、俺はのこのこと教室に戻った。このゲーム、ビビった俺の負けだ。それにしても、もう一人の声は誰だったのだろうか? 香賀美とそういう仲の人物が思い浮かばない。先輩か後輩か……でも会社って…………あ。

     その時浮かんだ人物が答えだったと確信したのは、高等部に上がってクラスが変わり、香賀美係が俺から一条に変わったころのとある出来事からだったが、その話はまたの機会に。
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    オルト

    TRAININGガリカジのタイカケ。昨日のタイガ編みたいな感じです。月に一回くらい、カケルがやけに俺を甘やかしてくれる期間がある。そんな時のカケルはすごく可愛くて、なんていうか、エロい。いつも以上にいい匂いがするし。これは、ホントにカケルの匂いが濃くなるのか、俺の鼻が良くなるのかはわからない。けど、確かに月に一回カケルは凄く可愛くなる。
    「かけるぅ」
     そんなカケルを見ていると、なんだかいつも以上に素直になれる。甘えたくなる。カケルが甘やかしたくなってくれてるのに漬け込んで、俺は欲望のままに甘えちまう。
    「タイガきゅん、おいで」
    「ん、カケル、好き……」
    「んっ……」
     俺が素直に気持ちを伝えると、カケルは凄く嬉しそうにする。目をウルウルさせて、頬を真っ赤にして。すごく、可愛い。そして、エロい。こんなの、勃っちまうだろ……。俺がカケルの身体に自分を擦り付けると、カケルのソコも反応した。嬉しい。カケルも同じ気持ちになってる。
    「カケル」
     カケルの顔をじっと見つめると、カケルはどんどんエロい表情になっていく。あぁ、早くひん剥いて俺の腕の中に閉じ込めたい。
    「ベッド行こう」
     カケルの方から、俺を求めてくれてる。カケル、カケル、俺のカケル。他の奴にも、こん 815