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    715文字
    タイカケ
    普通の休日

    「うぅ……眠……」
    「眠いなら寝りゃいいだろ」
     プラモを組み立てていたカズオが、大きなあくびをしていった。目に涙が浮かび、その潤んだ瞳がまるで、そう、あれだ。アレん時の目見たいで、ドキッとする。
    「そうなんだけどさぁ……貴重なお休みだから、やりたいこと全部やりたいんだよ」
     カズオは涙を拭って眼鏡をかけなおすと、またプラモを組み立て始めた。俺は雑誌を開きながらカズオのベッドに座っている。雑誌は、真剣な顔でプラモ組み立ててるカズオをじっと見るのに、バレないように顔を隠す為に手にしているから、読んでないんだけど。
    「まぁ、気持ちはわかるけどよぉ」
     小さい子供みたいだな、と思う。俺も、小さいころ眠いの我慢して遊んで、かくれんぼしている場所や木登りした場所で寝たり(あの頃から木の上を無自覚に昼寝スポットにしていた)で、良く家族に呆れられていた。だって、寝たら遊べる時間が減っちまうから、必死に眠気にあがいてたんだ。今はそんなことしないけど。カズオは、こういうところが子供なのか、それとも大人だから貴重な休みを精一杯充実したものにしようとしているのか?
    「それに、せっかくタイガきゅんがこの部屋にいてくれるんだから、起きてて傍にいるの感じたいじゃん?」
     ふわりと笑って俺の方を見るカズオ。キラキラしてる。めんこい。
    「お、おう……」
     俺のこと感じてたい、って、恥ずかしいことを……。まぁ、嬉しいけど。
    「ふーん。なら、一緒に横になる? 今より、もっと近くに感じると思うけど……」
    「ふふっ、ベッドに誘い込むなんて、タイガきゅんえっちだにゃあ~」
    「ち、ちっげーよ!」
     そんなつもりは無い。そんなつもりは無いけど、そんな風に言われたら意識しちまうだろ!
     責任取れっ!
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    TRAININGタイカケ。
    付き合っていくうちに、カケルくんに対してだけ策士になっていくのもいいな。
    このところ、結構冷え込む。青森に比べたら全然だけど、それなりに東京も寒くなるんだな、なんて思いながら窓から冬の空を見上げた。今にも降り出しそうだ。この気温だと、みぞれか……雪になってもおかしくない。
    「さみぃよなぁ」
     今朝、寒い寒いと言いながら出て行ったカズオのことを思い出す。寒いのならもっと厚着をしていけばいいのに、と思うけど、ファッションがどうのこうの言って寒そうな薄っぺらいコートで出て行った。そう言えば、傘、ちゃんと持っていったのか? まぁ、アイツのことだから準備してるだろうし、持ってなくても車移動出し大丈夫か……。でも……。
     俺はカズオに一言連絡を入れる。
    ―今日、帰りは?
     仕事中だろうから返事はすぐに来ないだろうと思っていたけど、案外すぐに来た。
    ―今日は久しぶりに電車で帰るよん! 雨降りそうだから急がなきゃ~
     めずらしい。この言いぶりだと、傘も持ってなさそうだ。
    ―何時ころ駅着く?
    ―あと十五分くらいかな。
    「よっし」
     俺は上着を羽織り、全然使ったことのないマフラーを掴んで玄関に向かった。自分の傘とカズオの傘を掴んで外に出ると、ぴゅうと冷たい風が頬を刺した。
    「寒 1064

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    TRAININGパンそばのタイカケ。
    そばくんに対して過保護なパンくんが見たいです。
    「ねぇね、タイガくん」
    「あ?」
    「これからコウジさんたちと飲みに行くんだけど、タイガくんも来る?」
    「あぁっ?!」
     飲んでいたジュースを噴き出しそうになった。なんで、カケルが、あの探偵と?
    「ふ、二人で、飲みに行くのか?」
     まさか、俺が油断している間にあの探偵がカケルを? 俺らのファンとか言ってたけど、まさか、まさか……。
    「ううん、助手のユウくんやコウジさんのお友達も一緒みたい。タイガくんもどうかなって思ったんだけど……。もしタイガくんにその気がないなら僕一人で」
    「俺も行く!」
     カケルの言葉に被せるように、俺は大きな声を上げた。自分の好きなヤツが、いくら二人きりじゃないとはいえ、俺のいないところで他の男と飲むなんて耐えられない。それに、カケルは酒に弱いんだ。酔ってふにゃふにゃになってるカケルはめちゃくちゃ可愛いし、何かされちまうかも知れない。俺は酒を飲んでも、絶対に少しだけにしておくぞ。ちゃんとして、カケルのことを守るんだ……!
    「えへへ。タイガくんがいるなら安心だなぁ。僕、お酒弱いし、コウジさんのお友達は……僕らも会ったことあるみたいだけど、緊張しちゃうだろうから」
     安 1434

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    TRAININGタとシンちゅわとモブしか出てこないけど、タイカケです。華京祭が終わってすぐのこと。クラスはミス華京院の話題で持ち切りだった。みんな誰が可愛かったとか、来年は自分も出てみようか、なんて話している。
    「なぁ、お前も意外と可愛かったぞ!」
    「…………」
     クラスメイトに声を掛けられたタイガくんは、両耳を塞いで机に突っ伏している。僕もクラスメイトに褒めてもらえたり色々聞かれてちょっと照れ臭かったけど……。
    「いや~優勝した西園寺、可愛かったな。俺、ファンクラブはいろうかなぁ?」
    「俺は太刀花先輩だなぁ~。美人のお姉さま、って感じですげぇイイ」
     みんなそれぞれに感想を述べている。みんなで頑張ったから、こうして褒めてもらえるのは嬉しいな……。
    「俺はやっぱり十王院先輩だなぁ~。あの衣装も髪形もクオリティ高かったし!」
     カケルさんの名前が出たその時、タイガくんの肩が揺れた。タイガくんはゆっくり身体を起こしてカケルさんを褒めたクラスメイトを睨んだ。睨まれた本人はそのことに気付いていないみたいだけど。
    「あれってアニメかなんかのコスプレだろ? おめぇそういう趣味なの?」
    「いいだろ、別に。ていうかソレ関係なくイイと思ったんだよ。校内でたまに見るけど、め 1002