「うぅ……眠……」
「眠いなら寝りゃいいだろ」
プラモを組み立てていたカズオが、大きなあくびをしていった。目に涙が浮かび、その潤んだ瞳がまるで、そう、あれだ。アレん時の目見たいで、ドキッとする。
「そうなんだけどさぁ……貴重なお休みだから、やりたいこと全部やりたいんだよ」
カズオは涙を拭って眼鏡をかけなおすと、またプラモを組み立て始めた。俺は雑誌を開きながらカズオのベッドに座っている。雑誌は、真剣な顔でプラモ組み立ててるカズオをじっと見るのに、バレないように顔を隠す為に手にしているから、読んでないんだけど。
「まぁ、気持ちはわかるけどよぉ」
小さい子供みたいだな、と思う。俺も、小さいころ眠いの我慢して遊んで、かくれんぼしている場所や木登りした場所で寝たり(あの頃から木の上を無自覚に昼寝スポットにしていた)で、良く家族に呆れられていた。だって、寝たら遊べる時間が減っちまうから、必死に眠気にあがいてたんだ。今はそんなことしないけど。カズオは、こういうところが子供なのか、それとも大人だから貴重な休みを精一杯充実したものにしようとしているのか?
「それに、せっかくタイガきゅんがこの部屋にいてくれるんだから、起きてて傍にいるの感じたいじゃん?」
ふわりと笑って俺の方を見るカズオ。キラキラしてる。めんこい。
「お、おう……」
俺のこと感じてたい、って、恥ずかしいことを……。まぁ、嬉しいけど。
「ふーん。なら、一緒に横になる? 今より、もっと近くに感じると思うけど……」
「ふふっ、ベッドに誘い込むなんて、タイガきゅんえっちだにゃあ~」
「ち、ちっげーよ!」
そんなつもりは無い。そんなつもりは無いけど、そんな風に言われたら意識しちまうだろ!
責任取れっ!