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    どうしようもないものを投下

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    698文字
    パンそばのタイカケ
    高校時代の話

    「うわぁ、どうしよぉ……」
    「び、ビビんなよ!」
     僕にそう言うタイガくんの声は、僅かに震えている。緞帳の隙間から客席を見ている僕らの緊張は、それはもう凄くって、本当に口から心臓が飛び出してしまうのではないかと思う程だった。
     高校の文化祭。講堂で開催される催し物の司会進行を任命されてしまったのは、ちょうど一か月前の事。文化祭実行委員が僕らのところにやって来て、芸人みたいな感じでよろしく! とすべてを丸投げしていった。講堂では朝から夕方まで、文化祭をしている間は、途中少しの休憩を挟んでずっと何か催しをすることになっている。吹奏楽部の演奏に始まり、演劇部の舞台、コーラス部の合唱、軽音部のライブ、ダンス部のダンス、そして有志の出し物。それらを盛り上げる為に、僕らは招集された。
    「ねぇ、僕たち上手くやれるかな……?」
    「いけるって。別にネタを披露するワケじゃねぇんだ。時々おめぇがボケてくれれば、俺が突っ込む」
    「えぇぇ?! 無理だよそんな……」
     そんな無茶な。ネタ合わせもしていないし、お客さんにサクラもいないのに、一体どうボケろって言うんだよ……。
     じとりとタイガくんを見ると、タイガくんは不思議そうに首を傾げた。
    「大丈夫だろ。おめぇ割と普段からぬけてるところあるし」
    「は、はぁっ?!」
     失礼な! 僕は素でボケてたりしないもん。
    「頬膨らませんなって。ほら、このアフロもあるし大丈夫だろ」
     タイガくんがニカッと笑う。この笑顔を見ると、なんだか大丈夫なような気がしてくる。
     そうだ。タイガくんと一緒に買いに行った、この衣装とアフロがあるじゃないか。
    「そうだね、頑張ろ!」
     そう言って拳を合わせたその時、ちょうどブザーが鳴った。
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    TRAINING154日目 1352文字
    付き合ってないタイカケのデート
    今日は天気もいいし、比較的暖かい。気持ちがいいな、と思い窓を開けて外を見るとちょうどタイガきゅんが玄関から出て来た。
    「あ、タイガきゅーん! どこ行くの~?」
     呼び止めるように声を掛けると、タイガきゅんはピタリと足を止めた。くるりと振り返ったタイガきゅんは、どこか嬉しそう。何かいいことでもあったのかな?
    「天気いいし、散歩。おめぇも行くか?」
    「え! いいの!?」
    「ダメなら聞かねぇよ。どーすんの?」
    「行く!」
     まさかタイガきゅんから誘ってくれるなんて、思わなかった。スマホとお財布だけを手にし、部屋を飛び出した。外に出ると、タイガきゅんは穏やかな笑顔で立っていた。あんな顔するんだ。
    「よし、行くぞ」
    「うん!」
     俺たちは並んで、温かな陽気の中歩き出した。

     公園に着くと、子供たちをはじめ、老夫婦や若い恋人までいろんな人でにぎわっていた。移動販売の車では、スイーツや軽食を販売していて、俺たちも軽食を手にベンチに腰かけた。
    「ん、おいしい!」
    「こっちも美味い」
     俺はソフトクリーム、タイガはフランクフルトを買った。甘いものを食べてると、しょっぱいものも食べたくなるんだよね。俺も 1422

    オルト

    TRAININGタとシンちゅわとモブしか出てこないけど、タイカケです。華京祭が終わってすぐのこと。クラスはミス華京院の話題で持ち切りだった。みんな誰が可愛かったとか、来年は自分も出てみようか、なんて話している。
    「なぁ、お前も意外と可愛かったぞ!」
    「…………」
     クラスメイトに声を掛けられたタイガくんは、両耳を塞いで机に突っ伏している。僕もクラスメイトに褒めてもらえたり色々聞かれてちょっと照れ臭かったけど……。
    「いや~優勝した西園寺、可愛かったな。俺、ファンクラブはいろうかなぁ?」
    「俺は太刀花先輩だなぁ~。美人のお姉さま、って感じですげぇイイ」
     みんなそれぞれに感想を述べている。みんなで頑張ったから、こうして褒めてもらえるのは嬉しいな……。
    「俺はやっぱり十王院先輩だなぁ~。あの衣装も髪形もクオリティ高かったし!」
     カケルさんの名前が出たその時、タイガくんの肩が揺れた。タイガくんはゆっくり身体を起こしてカケルさんを褒めたクラスメイトを睨んだ。睨まれた本人はそのことに気付いていないみたいだけど。
    「あれってアニメかなんかのコスプレだろ? おめぇそういう趣味なの?」
    「いいだろ、別に。ていうかソレ関係なくイイと思ったんだよ。校内でたまに見るけど、め 1002