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    オルト

    どうしようもないものを投下

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    オルト

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    699文字
    タイカケ
    ピロートーク?

    「カズオ、おめぇ少し太ったか?」
    「それ今言う?」
     ベッドで言う言葉じゃないでしょ、絶対。しかもこのタイミングで。まだ呼吸も整っていないっていうのにっていうのに。
    「いや、なんか、ケツの感触とか、胸とか」
    「……」
     そりゃあ確かに、少し体重は増えた。でも、ほんの少しだよ? 気付く?
    「ほら」
    「ひゃ!」
     まだ敏感になっている胸を揉まれて、俺は声を上げた。
    「あのさぁ、こういう時って、好きだよとか愛してるとか甘い言葉をくれるものでしょ?」
    「あー?」
    「まったく、ピロートークも出来ないなんて、おこちゃまなんだから!」
     タイガが食いつきそうな言葉を選んで、挑発して体重増加から話を反らそうとするも、タイガは俺の身体を揉むのを辞めない。お腹まで揉みだした。
    「もぉ、ちょっと! そんなに揉む程太ってないんだけど!」
    「んー? じゃあ筋肉落ちたんだよ。ほら、筋トレしろ。俺もする」
     タイガは身体を起こすとそのままベッドから降りて、脱ぎ捨ててあった洋服をさっさと着た。
    「え、まさか今からやろうって言うの?」
    「おう、ほら、起きろ!」
    「いやいや、無理だって!」
    「あ? なんで?」
    「なんでって……ついさっきまで……してたんだよ? 身体、少し休ませて。タイガ、激しいんだもん」
    「……っ、そう、か」
     タイガはポッと顔を赤くして、ベッドの端に腰かけた。
    「悪ぃ」
    「ううん。もう少し休んだら、一緒にトレーニングしようね」
    「おう」
     タイガは頷いて、いたわるように俺を撫でてくれた。
    「……やっぱ」
    「ん?」
    「やっば、おめぇ太ったよ」
    「蒸し返す?! ほんっとデリカシー無いんだっから! タイガきゅんのおばか!」
     俺は頭から布団を被って、ダイエットとトレーニングを誓うのだった。
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    オルト

    TRAINING付き合ってるタイカケ。初夜まで道のり通そう。タイガきゅんとお付き合いを始めて早三か月。そろそろ、キス以上のことがあってもいいんじゃないかと思っているんだけど、全然そんな気配はない。俺が一生懸命それらしい雰囲気を作っても、タイガきゅんには全然効いていない。ベッドに座って寄りかかったら、「眠いのか?」なんて聞かれるし、じっと上目遣いで見つめたら「何ガン飛ばしてんだよ。怖くねーけど」とか言われるし、二人きりの部屋で服を脱ごうをしても「暑いのか?」だって! 意気地がないのか、純情すぎるのか……。そりゃ、俺だってキスだけでもすっごくドキドキしちゃうけど……!
     いったいどうしたらタイガきゅんはその気になってくれるだろう? いっそ、正直に先に進みたいと言うべきか? いや、そもそもタイガきゅんはこの先を知ってるの? 俺だって最近調べて知ったのに?
    「うーん……どうしたもんかにゃ~」
     ネットの海で自分と同じ状況の人を探しても、ぴたりと一致する人はいない。それでも、恋人に仕掛ける方法はいくつか見つけられた。
    「何事もものは試しだよね」
     俺は「準備」をすべく、引き出しに仕舞っていたいたローションとゴムを手にトイレへと向かった。

    「ねぇね、タイ 1207