溢れる愛を、いつかキミへ滝を登りきり、飛び上がった先で彼は弓を構える。それを水面から見ていたオレは一瞬で魅了された。
なんて、なんて綺麗な色なのだろうか。と。
その日からオレが見る世界は一変した。何が、と問われても説明出来ないような景色が瞳に映り始めたのだ。同時に、オレの気持ちにとある変化が訪れていた。
それは決まって彼が里にやって来る時で──
(…あれは、あの、色は)
遠くで太陽に照らされ黄金色に輝く彼の髪が風に靡いた。靴が石に当たる音は軽やかで、合わせて鳴る金属音が何とも心地良い。彼のおかげでルッタの暴走は止み一時の安寧を取り戻した。
だがリンク本人はまだ安心している暇など無かった。
「…リンク、いつもすまないな」
「え?何が?」
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