ライチ冥界☆クラブあなたは身体を貫かれて死んだはずだった。自分を信頼していると思っていた男に。しかし今、あなたは薄暗い道に立っている。空気はぬるく湿っぽく、微かに鉄の匂いがする。何かの体内にいるようで気味が悪い場所だった。遠くに、何か明るく開けた場所があるのが目に入った。あなたはそこへと誘われるように歩いていく。地面を踏むたびにビチャ、と言う水音と床のぬるぬるした感触。あなたが最期に嫌というほど見た血のようだった。前方に誰かいる。学生服を着た男がしゃがみ込んでいて、彼の前には血の川のようなものが横に広がっている。近づくたびに増す強烈な血の匂い。ここが所謂地獄なのか。あなたの足音に気づいたその男が振り返った。
「…ゼラ」
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