「痛いの痛いの飛んでいけ」深い青のような色をし、肩より伸びた髪を後れ毛もなく後ろでまとめる女性。いつもどこか張り詰めた様子で、上から紐をピンッと引っ張っているかのように佇んでいる。
なんでそこまで気難しい顔をしていつもいるのでしょうか?と、いつも思ってはいたが何故か今日はふと気になった。
言うことには良く聞いてくれるし何一つ文句なんてなかった。むしろ優秀すぎると言ってもいい。
「モタ。」
「は、はい。なんでしょうか。」
急に呼ばれて驚いたのだろう。勢い良くこちらを見る。
座っている席から立ち上がりコツコツと音をあげながらそばにいる彼女に近づく。
目の前で止まると紫髪をした彼女はおもむろにスーツの女性の頬に手を添えると、頭を、コツンと合わせた。彼女は動揺する間もなく、
711