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    8u_877

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    8u_877

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    すみれ
    大和と深空の高二冬の話。
    原文ママ。加筆修正なし。もう死にそう。

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    Replies from the creator

    8u_877

    DOODLE終わらんから一旦出す!!!!!!!
    ショウの話!!!!!!
     目覚めて、いろいろなことが脳内を駆け巡る。そうでなくても脱水症状で割れそうな頭に追い討ちをかけるのは、覚えている限り最新の記憶。
    「信じるなっつったろ、馬鹿」
     彼は、白波の立つ恐ろしげな海に私を投げ捨てるとき、これまでにないほどの嘲笑を見せた。常々、彼には勝てないと感じていた。私は、瞬く間に手足を縛られたことにすら抵抗できず、ただされるがままだった。気取られぬ技術もそうだろう。しかしやはり心理的に、彼には裏切られぬという慢心、自らの落ち度だ。
     自らの落ち度、はじめて彼に会ったときにもそうだった。

    「暗い顔してんなあ、若いの」
     もう十五年近く前になるだろうか。ルルビナへの留学は、あまりたのしいものではなかった。当然、終戦記念の文化交流使節、パジ国の代表として行くのだから、すべてがたのしいはずがない。しかしあの扱いはどうかと、当時は、彼と出会うまではそう思っていた。毎夜とまではいかずとも度々開かれる交流を目的とした宴会では、私は事実上客であるにもかかわらず、酌のように要人に酒を注ぎただ笑うだけで、談笑にすら入れてもらえないことを悔しく思っていた。当時、私はものを学びたかった。パジの使節と、ルルビナの政治家、軍人、資本家など権力を持った者が一挙に集まる宴会で、笑うだけの物言わぬ召使いに徹するのは明らかに時間の無駄、そのときはひたすらにそう思われた。私は、私がそこに居る意味が欲しかった。
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