イミテーション・タイムリープ 最後にあのバスに乗ってから三ヶ月が経った。
N社大鎚として浄化に勤しむムルソーは、数年前のある時期から断続的に、不思議な現象を体験していた。鏡の中にある別の世界へと呼び出され、戦闘行動をするというものである。そこで自分は“人格”と呼ばれ、“その世界にもともと存在するムルソー”がその人格を被る……いわば、憑依のような状態となっていた。その世界には頭に赤い時計の……“仮面”を被った“管理人”という者がおり、その者が人格を呼び出したり被せたり、戦闘の指揮を執ったりしていた。その管理人と十二人の戦闘員、およびその他数名のスタッフがバスに乗って移動しており、彼らは“リンバスカンパニー”と名乗っていたことを記憶している。
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