兎葱「じゃーん♡」
たゆんっ、と双丘が揺れた。思わず目を瞬かせると、愛しい蜂蜜色の瞳が弧を描く。
「こういうの好きくない?」
「いいえ? まさか……」
双丘を支える頼りないオレンジ色のレザー。
少し引っ張っただけでもペラリとめくれて、膨らみを取りこぼしてしまいそうだ。
当然のような顔をして膝の上に座り込んだ少女は、こちらの首に腕を回してにこりと微笑んだ。
「じゃあ……何かしたいことはありますか?」
そう言って背を倒した。白いシーツに横たわり、長い作り物の耳の先をいじる。
可愛いバニーガール。出会った頃は無垢だったのに、すっかり誘い方を覚えてしまって。
「何をされてもいいような口振りですね」
「えへ……どう思う?」
駆け引きもお手のものときたか。
自分がそうしたのだと思うとクるものがあるが、頬を赤らめる様子を見たいとも思うのはわがままか。
肉付きのいい腰を両手で掴む。唇を引き結んだ立香は、胸を高鳴らせているようだった。
「あっ……♡」
親指でそっと子宮のある辺りを圧す。
開発され切ったその子は、それだけで切なげに吐息を零した。
潤ませた瞳を見ているだけで、可愛らしいコスチュームを剥いて丸裸にしたくなる。
しかし今日は、こういった趣きなのだ。
せっかくの特別な計らいを、無碍にするのは気が引ける。
「可愛らしいうさぎさん、私に食べられるために来たのですね」
「ふふ、どうでしょー!」
愛しさが募る。このまま誰にも見つからない場所に隠してしまいたい。
森の奥深く、洞窟の最奥、泉の深く底。私しか知らない場所へ。
宝物のような赤い唇にそっと口付ける。
私の口付け、ただそれだけが、ここを開く鍵であれ。
「んぅ……」
割り開かれた唇の間を縫って、彼女の口内へ侵入する。出会った小さな舌を誘い、熱い抱擁を交わした。
途端に年甲斐もなく夢中になってしまって、ぢゅるる……と音を立てて少女を貪る。
しばらくして唇を離した頃には、とろとろに蕩け切った蜂蜜色がこちらを見つめていた。
「んはっ……ぁ♡もう……」
がっつきすぎだと言いたげな瞳にすら、下腹部を熱くさせられる。
二人の間を伝った銀色の糸が、ぷつりと切れる瞬間。
再び唇を重ねて、再度の逢瀬を願った。
「んむ♡ふ、ぅ……ん♡」
どさくさに紛れて、バニースーツの谷間にあったファスナーをゆっくりと下ろしていく。
手を差し入れて触れた肌は、少し蒸れて汗ばんでいた。
それを恥ずかしがっているのか、もぞもぞと身体を動かすのが堪らなく可愛く思える。
「……ん、どうしました?」
わざと、何もわからないふりをした。
少し頬を染めた少女は、汗をかいているからとこの手から逃れようとする。
全てがあまりに……おいしそうに見えて、汗ばんだ下乳に唇を這わせた。