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    ささらなみ

    現在ハイキュー沼に生息。超雑食。マイナーCPに走る傾向。ときどき左右非固定。細々と小説書いてます。

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    ささらなみ

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    犬岡君→←海さん 犬岡君の気持ちは知ってるけど曖昧な関係を続ける海さん
    素敵なイラストを拝見してピャッと降りてきました。怒られたら消すヤツです

    アイさん……シャム入った雑種 古い蔵持ちのご夫婦から海さんが譲り受ける。額に蔦の葉みたいな模様がある
    ユキさん……ポメラニアンぽい雑種 遅番の帰り、園庭の隅に蹲ってるのを犬岡くんが保護 ペット可物件に住む海さんに頼み込んでイマココ
    という設定

    【犬海】また今度ねトントンと響くまな板の音、じゅうじゅうと焼ける肉からたちのぼる匂いに釣られたのか足元にするりと擦り寄る温もり。
    「おはようアイさん、ご飯の前に犬岡起こしてきてくれるかい?」
    音も立てず離れた温もりは犬岡が寝ている和室ではなく玄関へと向かう、その背を眺めつつ鍋に味噌を溶く。
    やがて玄関からカチャカチャと音を立てて和室に走り込み、そして
    「うわぁ! もう、びっくりした……あああああっ!!」
    飛び起きた犬岡に抱えられてキッチンに顔を出したのは白い小型犬。
    「おはよう、ユキさんご苦労様」
    「キャン!」
    起きてきた犬岡を見て満足そうに毛繕いをしているのは額に白い模様のある灰色の猫。
    「ふふ、アイさん策士だな」
    「なーう」
    「おはようございます」
    「おはよう、顔洗っておいで」
    「はい…」
    ユキさんを下ろしてしょんぼりと洗面所に向かう犬岡に苦笑しつつアイさんとユキさんの朝ご飯をセットする。
    「はい召し上がれ」
    2匹が食べ始めたのを確認して今度は自分たちの朝食を並べた。
    「ユキさん目覚ましハンパないッス、飛び乗ってベロンベロン」
    顔を洗ってサッパリした犬岡が椅子に腰を下ろす。
    「ベーコンエッグ丼とほうれん草と油揚げの味噌汁、で良かったかな」
    「はい…」
    「余ってたしめじも入れてみたけどどうだろう」
    困ったように笑ってみせると犬岡は顔をぶるぶると振って笑顔になった。
    「海さんの手料理間違いないッス! いただきます!!」
    パンと手を合わせて味噌汁を一口啜って丼をかっ込む犬岡。
    「美味いッス!」
    「それは良かった」
    内心ホッとして自分も丼に箸をつける。うん、もう少し味濃くてもよかったかな。
    「次こそは俺が朝ご飯を」
    「気にしなくてもいいんだけどな、ほら昨夜は頑張ってくれたし」
    「えぇ?! 俺なにか、その、あの」
    味噌汁を吹きそうになりながら顔を真っ赤にして犬岡はしどろもどろだ。
    酒に弱い犬岡はアルコールが入ると普段より2割増テンション上がって、それを大抵忘れてる。
    「アイさんのキャットタワー作ってくれただろ?」
    「あっ、そうですねでもアレはその、俺が持ち込んだし組み立てるのは当然ていうか」
    「ふふ」
    リビングに設置されたタワーは今のところユキさんがパトロール中でアイさんは見向きもしないけど。
    昨日は特に何もなく犬岡は寝落ちてたけど、酔った勢いで告白されたこともあるし押し倒されてギリギリアウトな行為にもつれ込んだこともあるけど。
    「次こそは! こう見えて俺、料理自信あるんで!」
    「そうだね、うん次は是非」
    そんな口約束が欲しくて早起きしてしまう、なんてバラしたらどんな顔するだろうね。
    「にゃあ」
    「アイさんそこで寝ちゃうと俺動けない」
    ご馳走様と手を合わせた犬岡の足の甲にお腹を乗せてグルグルと嬉しそうに喉を鳴らすアイさんがキャットタワーに登るのはもう少し先の話。
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    ささらなみ

    DONE諸事情により12月でおしまいです申し訳ありません。
    1〜3月もネタはあるので番外編で書ける日が来るといいなと思います。
    ここまで読んでくださりありがとうございました。
    【月大】貴方と彩色く12ヶ月(3)12月 白群のコップ

    店を出て吹きつけた風に首を竦める。荷物からマフラーを取り出してじっと見つめた。
    澤村さんはマフラーあんまりしないんだよね。高校の時は学ランにマフラー、手袋までが制服みたいなとこあったけど最近知った冬の澤村さんはハイネックのアウターを羽織って済ませることが多い。首元が少しモコッとなるのが可愛いから、うん、マフラーはナシの方向で。ハイ終了。
    ハァ、とため息を吐きながらマフラーを適当に巻きつける。
    12月、僕と澤村さんが恋人関係になってはやひと月。ホイップクリームみたいなふわふわの甘い関係、という感じではないけど今までとは違う空気が確かにあってくすぐったい。
    好意を隠さなくていいだけじゃなく、受け入れてもらえて、しかも澤村さんから同じく返ってくるなんて…夢を見てるんじゃないかと未だ信じられない時もあるけど、目が合うと優しく微笑まれて(そしてどうやら僕も同じらしい)叫び出さないよう噛んだ下唇が痛かったから夢じゃない。すごい。
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    ささらなみ

    MOURNING犬岡君→←海さん 犬岡君の気持ちは知ってるけど曖昧な関係を続ける海さん
    素敵なイラストを拝見してピャッと降りてきました。怒られたら消すヤツです

    アイさん……シャム入った雑種 古い蔵持ちのご夫婦から海さんが譲り受ける。額に蔦の葉みたいな模様がある
    ユキさん……ポメラニアンぽい雑種 遅番の帰り、園庭の隅に蹲ってるのを犬岡くんが保護 ペット可物件に住む海さんに頼み込んでイマココ
    という設定
    【犬海】また今度ねトントンと響くまな板の音、じゅうじゅうと焼ける肉からたちのぼる匂いに釣られたのか足元にするりと擦り寄る温もり。
    「おはようアイさん、ご飯の前に犬岡起こしてきてくれるかい?」
    音も立てず離れた温もりは犬岡が寝ている和室ではなく玄関へと向かう、その背を眺めつつ鍋に味噌を溶く。
    やがて玄関からカチャカチャと音を立てて和室に走り込み、そして
    「うわぁ! もう、びっくりした……あああああっ!!」
    飛び起きた犬岡に抱えられてキッチンに顔を出したのは白い小型犬。
    「おはよう、ユキさんご苦労様」
    「キャン!」
    起きてきた犬岡を見て満足そうに毛繕いをしているのは額に白い模様のある灰色の猫。
    「ふふ、アイさん策士だな」
    「なーう」
    「おはようございます」
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