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    nurumayu100

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    nurumayu100

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    #霊モブ
    ReiMob
    #mp100

    自己内観幼少の頃、俺にとって何かを我慢することなんて当たり前だった。 
    それは両親の敷いたレールの上をただ進んでいくという、嫌悪感あふれる育児教育方針のせいなのか。
    はたまた姉貴の絶対的姉力のせいなのか。
    それで丸く治まるのであれば、それが“正しい”と思ってた。
    いや、思い込んでいただけか。
    結局今になると逃げてただけなんだろうが。
    疑問にすら思うこともできなかった幼少時代。
    しかし中学生になる頃には、俺も自身の考え方を無視できなくなってきていた。
    恥ずかしいが反抗期ってやつだったのかもしれない。
    両親はずっと俺に期待していたが、俺が思い通りにならないとわかると、そのうち期待しなくなった。
    それも“当たり前”と思った。

    “誰も俺になんて何も望んでない”
    “俺は幸せになんてなれない”

    だから、俺はただ社会という大きなカラクリの小さな小さな歯車になって一生を終えるんだと。
    なのにいざ社会というものの一部になってみると、俺は特別でありたいと思う自分に気づいたが、その反面誰かの特別になんてなれやしないとも思っていた。

    でも運命、というのか。
    あの日『霊とか相談所』に現れた小学生。
    俺を“師匠”と呼び、慕い後ろを着いてくる
    小柄な弟子。
    最初は変わった奴だと思ってた。
    超能力が使える、なんて“特別な人間”。
    羨ましくもあり、妬ましくもある。
    何年も一緒に過ごすようになり
    かけがえのない存在になった。
    不器用で、鈍感で、かと思えば繊細で。
    そのくせ、一人前に恋なんかしやがって。
    14歳のあの日、失恋したあいつは
    誰よりもカッコよかった。
    そして俺は自覚した。
    涙を流すお前を見て、俺は自分の気持ちに気づいた。

    “俺はモブが好きなのか。”

    気づいたその日から、人として好きだと思い込もうとした。
    未成年、同性…色々あるのに、
    ダメだと思っても、
    もう隠せない程に好きでー…。
    こんなに俺が欲してしまうのは
    生涯モブしかいない。
    そう思ってしまった。
    でもこの俺の感情のせいで、
    こいつの将来を潰すことになる。
    遺伝子を残せない。
    まだまだ白い目で見られるだろう。
    そもそも14歳も年下だ。
    他に目がいくかもしれない。
    ましてやモブは超能力者。
    俺みたいな凡人に何ができるんだと
    自分に言い聞かせる。
    でも、それでもやはり諦めきれない。


    悶々と思索しているうちに
    仕事が終わり、モブと2人になった。
    今日はエクボも居ない、芹沢もいない。

    誰も居ないこの空間を待っていた。

    『モブ…好きだ。』

    告白され慣れていないモブは数秒後、
    言葉の意味を理解して赤面した。

    「えっ…あ、あの師匠っ…」

    『嫌だったら拒めばいいから。』

    俺はモブが動揺しているのを知ってて
    そのまま顔を近づけると、
    モブは反射的に目をぎゅっと閉じた。

    「んっ…。」

    触れる感触にビクッとなるモブの唇を舌でこじ開け、その口内に俺の舌を侵入させる。

    重なり合う唇の隙間から、絡みつかせるように舌を動かす。
    最初こそ力んでいたモブも段々と力が抜け、
    唇が離れる一瞬ごとに息をするのに必死で、
    隙間から漏れる吐息がまた俺を気持ち良くさせる。

    絡み合う舌は触れ合うたびくちゅくちゅと卑猥な音を立て、その音が耳からモブの心を犯す。

    名残惜しくも一旦唇を離すと、目を潤めながらハァハァと呼吸する。
    そしてそのままぺたんと座り込んだ。

    「し…しょおっ…。」

    『悪い、がっついた。』

    わかってた。
    俺はずるいから、モブが俺を拒否なんてしないのをわかってた。
    俺を信頼する気持ちを逆手にとってでも
    モブを手に入れたい。

    涙目になりながら、困惑と快感でぼーっとするモブを見て、俺は更にいい気分になる。

    『俺はお前と一緒にいるから。
    …お前も居てくれ。』

    そう言って抱きしめて、俺はモブの綺麗な髪をくしゃっと撫でた。
    このサラサラな髪が好きだ。
    この美しい心が好きだ。
    小柄な背も、色白な肌も、もちもちした頬も、
    もう全てが好きだ。
    好きが溢れて仕方ないんだよ。

    「僕女の子じゃないですよ。」

    『そんなの分かってるよ。俺が言ってる意味、わかるだろ?』

    「…師匠は僕でいいんですか?」

    愚問だ。
    しかしきっとモブとにっては重要な事なんだろう。
    そう思い、両手でモブのふわふわな頬を包み、想いの丈を伝える。

    『バッカ、お前でいいんじゃない。
    お前じゃなきゃ嫌なんだよ、俺が。』

    「…僕超能力者ですよ。」

    『そしたら俺は嘘つきかな。
    …俺にとったら超能力なんてお前の一部でしかない。そんな理由で断られたくないな。
    俺にとって恋愛的な意味で特別な存在だから、ずっと俺のそばにいて欲しいんだ。』

    自然に溢れたプロポーズのようなセリフ。
    しかし鈍感な弟子にはこのくらい言わないと伝わらない。
    普段なら到底口に出来ない言葉なのに、今はどうしても伝えなければいけないと思ってしまった。

    『…俺もお前の特別でありたい。』

    その言葉を言い終わると同時に、俺はモブの体をそっと抱きしめた。

    『嫌なら全力で拒否してくれ。それでも俺は諦めないぞ。』

    「強引だなぁ。…でもそれが嬉しい僕もどうかしてますよね。師匠のことが好きだから。」

    モブが俺を好きと思うのは、雛鳥が初めて見たモノを親鳥と思う気持ちと同じなのかもしれないけど、今はそれでもいい。

    『大事にする。お前が成人するまでは、手は出さないから安心しろ。』

    「え、さっきキ、キスしましたよね…?」

    頬を赤らめながら小さな声で聞くモブに、俺はこう答える。

    『バッカ、あれは過剰なスキンシップだろ。手は出してない。』

    「え?そ、そう…なんですか?」

    素直にこんな都合のいい嘘を飲み込もうとするモブが可愛すぎて、口元が緩む。
    だから俺みたいなのにつけ込まれるんだぞ。

    『…そうだよ。知らなかったのか?これからは色々教えてやるから、楽しみにしとけ。』

    わざと低い声で耳元で囁いた。 

    「い、色々…!」

    今にも爆発しそうなくらい顔を真っ赤にしてぷるぷると震えている。
    俺は嬉しくて、気づけば微笑んでいた。

    『ところで…もう一回“過剰なスキンシップ”、してもいいか?』

    「!はい!」

    ありがとうモブ。
    俺はもう逃げない。
    お前が自分と向き合ったように
    おれも自分と向き合うよ。
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